日中戦争後、中国人は内戦や文化大革命などに翻弄され、激動の時代を過ごしてきたというイメージがあるが、実際にはどうだったのだろうか。日中国交正常化が実現した後、中国に渡って子どもたちを中心に彼らの日常生活を記録した日本の写真家がいる。中国メディアの捜狐は25日、懐かしくて「見ていると涙が出る」この写真集を紹介する記事を掲載した。

 1980年代初期の写真を見て自分の子ども時代を懐かしがるということは、記事の中国人筆者は40代なのかもしれない。中国の急速な発展とともに、写真に写る世界はすっかり過去のものとなってしまった。筆者は、このカメラマンのおかげで、80年代の日常が記録されたことに感謝しているようだ。

 例えば、ズボンの穴を隠すアップリケ、手作りの木の鉄砲で遊ぶ子ども、チョークで地面に絵を描き飛び跳ねる遊びを延々と続ける子ども、週末には魚釣りや公園のボートで遊ぶなど、スマホがない時代の子どもたちの遊びには、日本も中国もあまり変わりはないようだ。日本人が見てもノスタルジックな印象を持つだろう。

 ただ、さんざしの飴を食べる子どもや、ヤシの実の汁を飲む子ども、砂漠を歩くウルムチの子どもたちの写真は、異国情緒を感じさせる。卓球の台が道端に無造作に置かれていて自由に遊べるのも中国らしい。筆者は、パソコンもスマホもない時代には、おもちゃがなくても楽しかったものだと昔を振り返り、遊んでいるときに大人が見ている必要も、学校の送り迎えをする必要もない時代だったと時代の移り変わりを感慨深げに伝えている。80年代以降の中国は、日本以上に急速な変化を遂げ、子どもたちの日常は一変した。一人っ子政策で過保護になったことや、誘拐の多発などで大人は子どもに対して非常に神経質になっている。

 しかし、この写真集を見ていて、何よりも印象的なのは子どもたちの目が輝いていることだろう。筆者は、この日本のカメラマンが当時の子どもたちの「素朴な笑顔とまっすぐな瞳」を残してくれたことに感謝している。中国の「古き良き時代」はもう過去のものとなってしまったが、そのぶん日本人カメラマンによるこの写真集には価値があると言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)