川崎重工業は10月末、9月中間決算を発表し、純損益が前年同期の108億円の黒字から35億円の赤字に転落したことで、今年度いっぱいで鉄道車両事業の再建策を練ることを表明した。場合によっては、撤退も視野に入れるという。川崎重工業は、中国の高速鉄道計画において技術供与したという意味では中国の「教師」だったが、かつての「弟子」は拡大を続けており立場が逆転しているようにも見える。中国メディアの今日頭条は23日、「日本という教師は中国高速鉄道に負けた」と題して、その根拠を主張する記事を掲載した。

 まず記事は、川崎重工業の技術そのものは確かで、21世紀に入るまでは、フランス、ドイツ、カナダの企業とともに高速鉄道分野で世界4大企業の1つに数えられるほどだった、と当時の先進ぶりを称賛した。

 では、なぜいまでは撤退も考慮せざるを得ないほど衰退してしまったのだろうか。その理由について記事は、昨年発生した「新幹線の台車亀裂問題」が大きな要因だと分析。今年に入ってからも、ワシントンへ納入した地下鉄車両で不具合が発生しており、「連続して発生した問題でブランドイメージが損なわれ、対外業務に大きな影響を与えた」と論じた。

 それだけでなく、高速鉄道分野で力を付けた中国は、かつての「教師」である日本と海外輸出を巡りライバル関係になったと記事は紹介。中国は、トルコ、インドネシア、タイでの受注を獲得しており、日本を師として仰いでから「14年経った今、中国の高速鉄道は営業距離で世界一となり、日本を追い越した」とし、「教師が弱くなったのでなく、生徒が強くなったのだ」と主張した。

 記事は、科学技術の分野では、「追いかけるか追いかけられるか」の2つの立場しかなく、いつまでも「教師と生徒の関係」ではいられないと論じている。中国にしてみれば、日本を追い越したとなれば自信につながるのだろう。川崎重工業の鉄道車両事業は厳しい状況にあることは間違いないが、記事も指摘しているように技術そのものは高いのも間違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)