中国メディア・新浪は22日、「日本の科学者が、宇宙で『日本刀』を使って惑星のサンプルを採集しようとしている」とする記事を掲載した。

 記事は、日本の武士が使用していた刀・日本刀は硬度が非常に高く、しかも鋭利なために、宇宙に存在する小惑星の硬い物質を採取するのに向いているとしたうえで、「今、本当にやろうとしている人がいる。近頃、3人の研究グループが日本刀の匠と協力して小惑星からサンプルを採集するためのツールを開発中なのだ」と伝えた。

 そして、小惑星の探査で強みを持っている日本では、2005年に惑星探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから表面の物質を持ち帰ることに成功したと紹介。しかし、これは何度も採集に失敗した末、ごくわずかなチリを集めて持ち帰ったものにすぎず、元の想定ではもとたくさんのサンプルが得られるはずだったのだと説明している。

 そのうえで、神奈川工科大学の研究グループが日本刀の匠と協力して実施した研究開発に関する論文がこのほど発表され、新たなサンプル採集器の素材として日本刀の材料である玉鋼を用いた実験の結果が紹介されたことを伝えた。また、玉鋼を用いた理由として研究グループが「ドリルに求められる鋭利さと可塑性を追及した結果、日本伝統の日本刀の製造技術にヒントを得た」と説明していることを紹介した。

 もちろん、実際に宇宙空間で日本刀を振り下ろしてサンプルを削り取るわけではなく、玉鋼を用いて作った円柱状の装置を惑星の地表に向けて高速発射し、その破片を採集して宇宙船に持ち帰るというのが、その仕組みだ。

 記事は、現状は玉鋼を用いて作った採集器でのテスト段階にまで至っておらず、その構造の合理性を試したに過ぎないとし、その理由について「至ってシンプルだ。材料の値段が非常に高いのだ」と指摘。その一方で「日本刀は日本文化の要素を色濃く帯びており、このプロジェクトにより日本の宇宙開発に文化的な要素を持たせたい」という研究グループの心意気を併せて紹介している。

 伝統を守り、受け継ぎ、そのエッセンスを全く別の新しいものに注いでいく。その精神はまさに今中国が「伝承とイノベーション」というスローガンを掲げて取り組んでいることに他ならない。この研究成果は、中国の研究者にとっても大きな啓発になるだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)