ポートモレスビー(パプアニューギニア)で11月17日~18日に開催されるAPEC首脳会談を控えて、中国の習近平国家主席は15日に、国家元首として初めてパプアニューギニアを公式訪問する。4年ぶりとなる太平洋島しょ8カ国との首脳会談を控えて、中国メディアは習主席の動静を伝えつつ、中国にとってアジア太平洋地域がいかに重要な地域であるかを伝えている。今回のAPECには、米国のトランプ大統領は出席しないことを明らかにしており、米中貿易協議を控えた今、習主席がアジアで発するメッセージに注目が高まっている。

 中国の外交は今週、“アジア太平洋”色が一気に強まっている。李克強首相は12日に東南アジア諸国連合(ASEAN)に合わせてシンガポールを訪問し、現地でリー・シェンロン首相と会談した。続いて、15日に習主席が中国の国家元首として初めてパプアニューギニアを公式訪問。APEC首脳会議に出席後、18日から21日にかけてブルネイとフィリピンを国事訪問する予定になっている。

 習氏が首脳会談に臨む太平洋島しょ8カ国は、パプア、フィジー、サモア、バヌアツ、ミクロネシア連邦、クック諸島、トンガ、ニウエ。中国外交部の鄭沢光・副部長は、「習主席は重要な談話を発表する」と予告し、「太平洋島しょ国の発展を支援する中国の立場を表明し、新時代の協力発展に向けた青写真を描く」と解説している。

 そして、習主席のブルネイ、フィリピン訪問は今回が初めて。中国国家元首として13年ぶりの訪問となる。鄭副部長は、「新しい時代に両国との関係を発展させる一里塚となる」と意義を強調した。

 中国にとってアジア太平洋地域は、経済・外交政策で重要な位置づけにある。商務部研究院地域経済協力センターの張建平・主任によると、中国は対外貿易の60%、企業進出の70%、資金流入の80%をアジア太平洋地域に依存しているという。APEC首脳会議で習主席は、アジア太平洋域内の貿易・投資自由化を支持する立場を表明し、多国間貿易体制を推進していくポジティブなシグナルを発信する見込みとしている。

 一方、「米国第一主義」を掲げ独自路線を貫くトランプ政権は、APEC首脳会議にペンス副大統領が代理出席し、アジア太平洋での多国間協調にも非協力的なスタンスにあるようだ。トランプ大統領は2017年ベトナムで開催されたAPEC首脳会議で「これ以上の『慢性的な貿易の悪用』を容認しない」などと発言し、多くの参加国首脳から言動が不安視された経緯がある。

 APECには、日本の安倍晋三首相、韓国の文在寅大統領が出席するが、ロシアのプーチン大統領は出席しない。自ずと、中国の習主席の存在感がクローズアップされている。(イメージ写真提供:123RF)