世界最大の自動車市場である中国の新車販売が2018年にマイナス成長になる可能性がある。上海で開催中の「中国国際輸入博覧会」で国家発展改革委員会の産業協調司・機械装備所の呉衛所長が7日、「18年の販売数は3000万台を下回る見込みで前年実績を割り込む可能性がある」と発言したことを中国メディアが取り上げて話題になっている。

 中国の新車販売台数は、2017年実績で2887万8900台(前年比3%増)と世界最大。2009年に米国を抜いて世界トップになってから9年連続で世界一を継続している。米国の新車販売台数が1700万台あまりなので、世界一の地位が簡単に揺らぐものではないが、1990年代に乗用車が一般に普及し始めてから成長をし続けてきた中国の自動車販売にブレーキがかかることは、中国経済の変調を感じさせる。

 1950年代に旧ソ連の援助を受けて設立された長春第一汽車で「解放」ブランドの4トントラックが量産されたことに始まる中国の自動車産業は、1970年代まではトラックなどの商用車の時代で、乗用車は「紅旗」ブランドが有名な高級官僚が乗る公用車に限られていた。1980年代に欧米自動車メーカーが合弁で乗用車生産を開始して中国に乗用車の時代が幕開け。90年代には民間の自動車メーカーも現れて現在に続く繁栄が始まった。

 1998年までは年間の新車販売台数は160万台程度で横ばいだったが、99年に14%増の183万台に2ケタ成長を実現してから、2007年のリーマン・ショック前までは年率平均20%を超える高成長を実現。リーマン・ショックが起こった2008年にも販売台数は6.7%成長となり、2009年には1360万台と初めて1000万台の大台を超えるとともに、当時世界一だった米国の販売台数を抜いて世界一になった。

 2009年以降も2ケタ成長を続け、2013年には2120万台と2000万台を突破し、2018年には3000万台の大台を超えるという見通しだった。

 しかし、2018年9月の新車販売台数は前年同月比11.6%減の239.4万台で3カ月連続の前年同期比割れになった。1-9月累計の販売台数は2049万台。また、1-9月累計での乗用車の国別シェアは、中国国産が41.96%で前年並み、次いで、独系が21.70%で前年同期比6.1%ポイント増、日系が18.48%で同4.43%ポイント増とシェアを伸ばしている。これに対し、米国系は10.69%で前年同期比11.79%ポイントもシェアを落として不振だ。

 この中で、新エネルギー車(NEV)は販売拡大が続いている。呉所長は、18年の販売台数は100万台を突破し、前年実績(77万7000台)を大きく上回る見通しだとした。新車販売全体に占める比率は3%以上を見込んでいる。(イメージ写真提供:123RF)