これからの産業の発展のカギを握るといわれるAI(人工知能)の関連会社が中国国内には1000社以上がひしめき合っているという。概算統計によれば、中国のAI産業規模は17年に30億米ドル(約3400億円)、関連産業を含めると400億米ドル(約4.5兆円)に迫る規模にある。

 中国電子情報産業の2017年の輸出入額は1兆3600億米ドル(約154兆1522億円)に膨らみ、中国貿易額の3割超を占めた。米中貿易摩擦などの不確実性要因は残るもののAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、第5世代移動通信(5G)などに絡んだ新技術が巨大な新市場を創出している。

 11月6日に上海で開催された「2018年スマートテクノロジー・産業国際協力フォーラム」で発表された「電子情報産業対外貿易発展報告」によれば、中国の電子情報機器貿易は改革開放以降、規模を順調に拡大させてきた。東西冷戦の影響もあって1978年以前は輸出入額が1億米ドルに満たず、中国貿易額の1%未満にとどまる停滞期にあったが、パソコンや携帯電話などの急速な普及を背景に、爆発的な成長期が到来。2000年に1000億米ドルを初突破した。中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した01年以降は、さらに成長ペースを加速させた。

 ただ、民生用電子情報機器の飽和感が世界市場に広がり始め、業界は新たな起爆点を見出す必要性に迫られている。その重要技術の一つと目されるのがAI分野だ。中国企業が17年に実施したAI事業に絡む資金調達額は270億米ドル(約3兆円)に達した。半導体チップ開発・製造や音声識別、自動運転など幅広い分野でAI応用が進められている。特にAIと5Gの融合は、電子情報機器に新たな価値やソリューションを創出する基盤技術となっていくと期待される状況だ。

 人口が約14億人に達する巨大な消費市場を抱える中国では、一旦ブームになると、瞬く間に「世界一」の規模を獲得してしまう。電子商取引(Eコマース)の取扱高、スマートフォンやドローンの出荷台数、自動車の年間販売台数など、その規模の経済はGDPで世界トップのアメリカの企業を凌駕するほどの勢いがある。今、その集中投資の照準が、AIにフォーカスされている。どれほどの技術発展をやってのけるのかが注目されるところだ。

 一時の仮想通貨のマイニング(発掘)やソーシャルレンディング(P2P融資)のブームのように、バブルが弾けて多くの撤退者の悲劇を生み出す事例も少なくないのが中国のニュービジネスの世界だ。しかし、AIに関しては、世界に市場が開け、ロボットや自動運転、IoTなどの分野で様々に応用が期待される分野だ。BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)に続くような世界的に巨大な企業が生まれ出る期待もある。(イメージ写真提供:123RF)