日中国交正常化の後、1979年から日本は中国に対して政府開発援助(ODA)を供与してきた。日本が中国に対してODAの終了を正式に表明したことを受けて、中国では様々な分野に及ぶ影響について語られている。中国メディアの今日頭条はこのほど、「中国が特に医療面で日本から受けてきた支援」について紹介する記事を掲載した。

 ODAには「無償資金協力」と、「有償資金協力(円借款)」、そして、「技術協力」に分けることができるが、記事は、生活に密着した教育や医療といった分野の多くは「無償資金協力」によって行われてきたと紹介。記事によると、中国に提供された無償資金協力は主に医療支援に使われたといい、1981年に北京に建設された日中友好病院は中国でも有名だ。日中友好病院は約164億円の無償資金協力のもと建設され、ポリオや結核のワクチンも日本から提供されたと紹介した。

 また、その後も継続して日本からポリオと結核のワクチンや関連設備のための無償資金協力を受けたことを説明。ワクチンは感染病をコントロールすることができる簡単で効果的な方法だが、ワクチンを管理された状態で輸送保管しなければならないゆえに、ODAによって中国内陸部の貧しい地域にも積極的な援助が行われたことの価値は大きいと論じた。

 さらに、2001年には16億円分の結核ワクチンの提供だけではなく、中国内陸部の陜西省の人民医院で生じていた医療器材の不足を補うために13億円以上が無償資金協力のもと供与されたと指摘した。

 そして、日本の援助が徐々に技術協力へと移行され、日本から経験豊富な医療スタッフが派遣されたり、中国人スタッフが日本で研修したりする制度によって「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」方法によって、中国国内の需要を自前で賄えるよう長期的な体制を整えることができたと論じた。

 近年の中国では不正ワクチン事件が起きており、多くの中国人は中国産ワクチンの品質に不安を抱いている。ODAの終了に伴って約30年続いた日本からのワクチンの無償提供も終了するわけだが、これを中国医療技術の向上と見るか、それとも不安と見るかは意見が分かれるところと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)