近年は訪中日本人が減少していると言われるものの、中国には万里の長城や故宮博物館などの観光名所は非常に多く、登録された世界遺産は53件と世界で2番目に多い。中国メディアの今日頭条は10月31日、世界遺産の1つである仏教の霊山・廬山(ろざん)に関する記事を掲載した。「日本人からは入山料を取らないのが中国人の癇(かん)に障る」のだという。

 この廬山は、かつては仙人が住んだという伝説もある、外国人にとってはイメージどおりの中国を感じさせる美しい山だ。現在、期間限定で「外国人は入山無料」キャンペーンを打ち出しているとして、ネット上では不満の声が続出しているという。

 記事は廬山について、中国10大名山の1つで、観光局の定める等級で最高となる「5A」に認定されていると紹介。しかし、外国人無料キャンペーンには同意できないと主張している。なぜ日本人は無料で中国国民からは金を取るのか「理解できない」、「西洋崇拝なのか」と不満をあらわにし、ネットでも大騒ぎになり、中国国民も皆そう思っていると主張した。

 記事の中国人筆者は、外国人観光客の数は「中国の大軍」と比べるとごく少数であり、わずかな数の外国人を呼び込むために不公平なキャンペーンを展開し、中国人の心を傷つけるとは何事かと息巻いた。そして、「もう行かないと言っているネットユーザーもいる」と怒りを示している。

 記事からは、外国人を優遇する不公平を勇敢に指摘するという雰囲気が伝わってくるが、敵対関係を煽るような内容には問題があると言えるだろう。例えば、記事は「日本人からは料金を取らない」と強調しているが、今回の対象は外国人であって、あえて「日本人」を強調するところに悪意を感じる。

 実際のところ、江西省は内陸で外国人観光客が少なく、外国人を呼び込みたいという狙いがあった違いない。観光局としては、外国人に来て欲しいので無料で開放し、その良さが分かってもらえればリピート客になる、あるいは口コミで広がることを願ってのことだろう。損得に敏感な国民性もあるのだろうが、本物の愛国主義者であれば、自分の損得ではなく長い目で見た国の利益を考えるのが筋というものではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)