安倍晋三首相は日中平和友好条約発効40周年に合わせて訪中し、習近平国家主席や李克強首相と会談した。今回の訪中の記念式典のあいさつで安倍首相が対中政府開発援助(ODA)の終了を正式に表明したことについて、中国メディアの今日頭条は23日、安倍首相の訪中を好意的に報じつつ、「まずは謝謝(ありがとう)と言うべき」と伝えている。

 日本の対中ODAは、中国が改革開放政策を打ち出した翌年の1979年から、有償資金協力の円借款や無償の資金協力、技術協力など合わせて計3兆円以上を供与し、中国の経済成長を支えてきた。安倍首相はこのたび、「中国が世界第2位の経済大国へと発展し、その歴史的使命を終えた」として、今年度の新規案件をもって終了する意向を表明した。

 記事は、これに対する中国人の反応について、「打ち切られたことに腹を立てるどころか、感謝する」大人の対応を見せていると紹介。このODAが中国にもたらした経済効果を認め、日本国内で反対の声があったものの日中関係を重視した日本政府を評価した。1980年代にはインフラ整備を中心に、90年代以降は環境対策や人材育成など幅広い分野で活用されてきたと紹介している。

 また同時に、今回の安倍首相のあいさつからは日中関係を重視していることがうかがえると伝えた。明治維新150年の節目の年であるにもかかわらず、明治維新の特色である「富国強兵」にも「脱亜入欧」にも言及しなかったことは、一種の誠意の表れだと高く評価している。米中関係が緊張している今、あえて米国の肩を持つような言い回しを避け、軍事拡張にも言及しないことで、中国人の感情に配慮したということのようだ。

 記事は結びに、改めて今回の安倍首相の訪中を評価し、「この訪中が日中関係の新たな転換点になることを望む」と結んだ。日本が長年にわたって中国に対してODA援助をしてきたことは、これまで中国人にはあまり知られていなかった。今回打ち切られることを受けてODAを高く評価し、感謝すべきとの声が出るのはこれまでにない傾向である。米国との貿易戦争に終わりが見えない中国にとって、それだけ日本に歩み寄りたいという気持ちの表れなのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)