中国の新エネルギー車(NEV)メーカーの業績に2極化の傾向が明らかになっている。中国全国乗用車市場情報連合会(乗連会)の統計データを基に、自動車情報紙・盖世汽車が新エネ車を製造・販売する国内主要メーカー10社の販売計画進ちょく率を割り出したところ、好調なグループでは9月までに年間目標の70%を超える実績になっている一方、不調なメーカーでは30%を割り込むところもある。国内に500社を超えるNEVメーカーがあるといわれ、その淘汰や合従連衡が加速することが考えられる。

 中国のNEV市場は、2017年の新車販売台数が77.7万台、累計保有台数180万台と世界最大。2018年は販売台数が100万台に乗せることが確実視され、中国政府がめざす2020年までに保有台数500万台という目標も現実味を帯びてきた。2019年からは、国内で3万台以上の乗用車を生産・販売するメーカーに対し、生産・販売の10%以上をNEVにすることを義務づける規制を導入するなど、政府主導でのNEV普及が進んでいる。

 自動車情報紙が試算した各社の計画進ちょく率(1~9月時点)は、江淮汽車(JAC)が75.5%、上汽乗用車が75.3%、広汽新能源汽車が73.8%、比亜迪(BYD)が68.6%、江鈴汽車が64.6%、北京新能源汽車が48.9%、奇瑞汽車が44.8%、蔚来汽車(NIO)が33.7%、衆泰汽車(Zotye)が24.7%、長安汽車が22.1%、知豆電動汽車が16.9%。

 蔚来汽車(NIO)は、今年9月にニューヨーク証券取引所に米国預託株式(ADR)を新規上場(IPO)したばかり。1ADS当たり6.26ドルで公開し、初値が6.0ドル、「中国のテスラ」などと持ち上げられて一時11ドルを超えたものの、直近では公開価格を割り込んでいる。NIOの1~9月販売実績は3268台どまり。目標は通年で1万台だが、6月が100台、7月が381台、8月が1121台、9月が1766台で推移し、実績は上向いているものの、目標に届くのは厳しい状況だ。NIOには、騰訊(テンセント)や百度(バイドゥ)といったIT大手が出資している。

 10社中で進ちょく率が最低の知豆は、年間販売計画10万台に対し、1~9月販売は1万3507台に低迷した。2017年の中国新エネ車販売では、北京新能源汽車、BYDに続く3位に食い込んだこととの落差が大きい。知豆を巡っては、資金繰り難観測も浮上した。年初目標の達成は、ほぼ絶望視されている。

 一方、NEVで3年連続世界一のBYDは18年のNEV販売目標を20万台に設定。1~9月までに13万7237台を売り上げた。9月単月販売は2万6111台。月を追うごとに販売が伸びているだけに、残り3カ月の累計20万台達成は難しくないとみられる。

 中国新車販売にブレーキがかかるなかでも、新エネ車販売に限っては力強い伸びが継続している。中国の1~9月新エネ車販売は、前年同期比81.05%増の72万1200台に拡大した。中国汽車工業協会が年初に予想した今年新エネ車販売(100万台)の72.15%をクリア。通年の100万台突破も確実視されている。

 中国のNEV市場は、政府が主導して普及に努めていることに加え、ガソリン車と比較して参入が容易なこともあって、異業種も含めて活発な投資が続いている。蔚来汽車(NIO)にテンセントらが出資している他、小鵬汽車(Xpeng Motors)にはアリババ、威馬汽車(WELTMEISTER)にはバイドゥなど、IT大手が出資したメーカーも意欲的な事業計画を発表している。

 すでに500社以上に拡大したといわれるメーカーの淘汰は必至といえ、2020年からは自動車メーカーに対する外資の出資比率が撤廃されることもあって、外資を巻き込んでの合従連衡が進みそうだ。(イメージ写真提供:123RF)