京都大の本庶佑特別教授が2018年のノーベル医学生理学賞を受賞したことについて、中国国営通信の新華社は2日、21世紀における日本人のノーベル賞受賞者の数は、米国籍を取得した人物も含めれば18人にのぼると伝え、日本人がノーベル賞を受賞したことが意味するものを考察する記事を掲載した。

 記事は、2000年以降における日本のノーベル賞受賞者の数は18人に達し、毎年1人ずつ受賞者を排出している計算になると指摘し、ここから日本が「基礎研究を長期的かつ安定して支持してきた」ことや、日本人の危機意識、さらには科学者の育成といった要素を見て取ることができると主張した。

 中国では近年、科学論文の発表数が急増しているが、記事は「功を急ぐ形での研究では論文こそたくさん発表できるかもしれないが、ノーベル賞を受賞することは永遠に不可能だ」と主張。なぜならノーベル賞は「最初の発見」といったブレークスルーやイノベーティブな成果にこそ授けられるものだからであり、他人の成果を利用した研究には与えられないものだからだと論じた。

 続けて、日本社会では近年、科学技術力やイノベーション力の低下について「警鐘を鳴らす声」が高まっていることを紹介。日本政府が発表する科学技術白書では日本人が発表する論文の数の現象が指摘されていることを紹介したほか、ビジネス雑誌などでは大学の学力低下を理由に大学崩壊の危機が指摘されていると紹介。

 また、ノーベル賞を受賞した研究者たちも、日本の研究をめぐる環境の悪化を指摘し、警鐘を鳴らしていることを伝え、「日本はノーベル賞受賞者を毎年のように輩出しているというのに、こうした警鐘が存在するのは日本が常に危機意識を持っていることの現れである」と伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)