日本経営管理教育協会が見る中国 第534回 ――三好康司

 8月27日から9月7日までの2週間、アフリカ/ガーナ共和国(以下“ガーナ”)の方々と仕事をする機会に恵まれた。長年、貿易業務を通じ海外の方々と取引を行ってきたが、アフリカの方々と直接仕事をするのは初めてである。今回の経験を通じ、ガーナを少し知るようになった。今回は、ガーナについて書いてみようと思う。

1.ガーナの概略

 皆さんは、ガーナと聞いて何を思い浮かべるであろうか。私は「チョコレート」くらいしか正直、思い浮かばなかった。ガーナは西アフリカにあり、面積は日本の3分の2ほど、人口2,700万人の国である。1957年にイギリスより独立、イギリス連邦加盟国であり公用語も英語である。経済は、農業・鉱業等に依存する典型的な一次産品依存型であり、主要輸出品も金,石油,カカオ豆が上位となっている。日本向け輸出はカカオ豆,鉛鉱、魚介類(マグロ等)等、日本からの輸入は自動車、魚介類、ゴム製品等であるが、対日輸出額/約213億円、対日輸入額/約129億円と貿易規模はまだ小さい。(2017年、日本財務省貿易統計より) 現地進出日本企業も44社(2017年10月)にとどまっている。

2.研修生来日の目的

 今回は、JICA(国際協力機構)プロジェクトの一環として、私の所属する団体がガーナ人研修生8名を受け入れ、座学および企業視察による研修をアレンジしたものである。野口英世博士が、イギリス植民地下のガーナで黄熱病の研究中に死去するなど、日本とガーナとの関係は古い。

 ガーナの製造業企業数の99.5%は中小零細企業、かつ、就労者の66.0%は中小零細企業の就労者が占めており、中小零細企業の発展が極めて重要であるものの、中小零細企業では不十分な生産技術・ノウハウ・スキルに起因する低品質・低生産性が課題となっている。今回の研修生は、中小零細企業の経営指導を担う立場の方々であり、「日本式カイゼン」を学び、帰国後「カイゼン」を中小零細企業に教えることで、お国の産業発展に寄与することを目的に来日した。

3.ガーナ研修の感想

 中小零細企業の指導を担う立場の方々と書いたが、来日メンバーの平均年齢は30代前半と非常に若い。そして、視察訪問した各企業では30分の質疑応答時間を設けたが、どの企業でも分からないことは何でも積極的に質問する、30分では時間が足りないほどである。そして、道中のバスでは、笑い声が飛び交い、みんな非常に明るい。これから成長しようとする国の活気を感じた。また、親日度も高く、かつ、日本の企業や「日本式カイゼン」をリスペクトして学ぼうとする姿勢がある。今回、初めてのガーナの方との仕事であったが、ガーナのみならずアフリカの可能性について、考えを巡らせるようになっていた。

 今回の受け入れ側メンバーには、長年ガーナに渡り、現地でカイゼン指導を行っているメンバーも数名参加した。そのメンバーから聞いた話であるが、「ガーナに住む日本人を1とすれば韓国人は10倍、中国人は100倍いるように感じる」とのことである。先日、北京でアフリカ・サミットが開催されたが、中国とアフリカ諸国との関係は非常に深いものとなっている。わが国も、アフリカの可能性に少しは賭けてみることも必要ではなかろうか。(写真は、お土産で頂いたガーナ国旗(ミニチュア)。提供:日本経営管理教育協会)