中国がインフラ整備などでPPP(Public Private Partnership:官民協力事業)投資プロジェクトの活用を加速している。全国のPPP総合情報プラットフォームに登録された事業リストは、今年7月末時点までの累計で合計7867案件、投資総額は11兆8000億人民元(約191兆円)に達した。中国財政部が11日に報告している。

 中国でPPPは「政府和社会資本合作方式」と表記され、公共財建設とインフラ整備に活用されている。1980年に深センの発電所建設で適用されたことを皮切りに、徐々に広がり、ルールの整備も進められてきた。そして、2008年北京五輪のメインスタジアム「鳥の巣」の建設などの実績によって拡大ペースに弾みが付き、政府も2013年からモデル事業を選定するなど、国策としてのPPP推進を明確にした。

 PPPの事業主体に地方政府が広く参画するようになると、財務部が管理するPPP総合情報プラットフォームへの登録案件が急拡大し、2016年6月末時点でリストアップされた案件は、9285件で投資総額は10兆6000億人民元に達した。ただ、この時点で実施段階にある案件は619件、1兆人民元程度に過ぎなかった。

 PPPリストの登録が巨額な投資金額に膨らんだことで、PPPが事業の採算性を無視した無計画な案件になっていないかどうかを監視する必要性を訴える声が強まった。そこで、財務部は2018年4月に「PPPモデルプロジェクト管理の強化に関する通知」を発表。これまでに承認した約750件、2兆人民元のモデルプロジェクトの中から、問題のある173件を通告。うち、30件、2000万人民元についてはPPPから除外。54件、1584億7000万人民元はモデルプロジェクトからの降格を言い渡している。89件、4817億9000万元には改善要求を出した。

 問題があると指摘されたプロジェクトは、プロジェクト所在地域のPPP関連財政支出が財政予算の10%を上回るという基準を超えた規模にあるもの。また、過去1年間でプロジェクトに実質的な進展のないものなどだった。

 財務部によると、7月末時点の登録プロジェクト7869件のうち、すでに3812件(全体の48.5%)、総投資額6兆1000億人民元(98兆8200億円)で投資契約が交わされている。このうち1762件が着工された。投資額は2兆5000億人民元(40兆5000億円)になる。

 一方、却下したPPPプロジェクトは2148件で投資予定額は合計2兆5000億人民元(40兆5000億円)だった。財務部は、無秩序な投資を抑制し、リスクをコントロールする立場を強調している。(イメージ写真提供:123RF)