中国の今年の大学新卒者の初任給の平均は5044人民元(約8万1700円)となった。中国の人材派遣大手、中智人力資源管理諮詢公司が2700社超を対象に実施した調査で明らかになった。日本の今年の大卒初任給は労務行政研究所の調べで、平均が21万1039円となり、中国の平均と比べると2.5倍の水準にある。1人あたりGDPでみると、日本の約440万円に対し、中国は6万3402人民元(約102万円)と4分の1以下の水準にある。物価も含めた生活水準で考えると、中国の会社員の方が良い報酬を得ているといえるだろうか?

 中国社会の格差は大きく、当然、初任給も地域や産業によって異なる。1線都市(上海市、北京市、広州市、深セン市)の平均初任給は5292人民元(約8万5700円)、2線都市(副省級都市と沿海都市:青島市、アモイ市、寧波市、長沙市など)が4489人民元(約7万2700円)になっている。3線都市といわれる地方都市では、一段と水準が下がる。

 また、業種による違いは、平均初任給が高い業種は、人工知能(AI)関連で1万1557人民元(約18万7200円)。アルゴリズムが1万2627人民元(約20万4500円)、ビックデータが9962人民元(約16万1300円)、ソフトウエア開発が9055人民元(約14万6600円)、ハードウエア開発が8925人民元(約14万4500円)などとなっている。日本の初任給が、業種を問わず21万円程度に集約されていることと比較すると、中国の格差の大きさがわかる。

 なお、中智人力資源管理諮詢公司の調査によると、修士課程の新卒者については、平均初任給が6824人民元(約11万円)だった。専門学校の新卒者は平均初任給は4016人民元(6万5000円)となっている。日本の大学院卒修士平均22万8591円、短大卒平均17万9207円などと比較すると、中国では学歴による給与格差も大きいようだ。

 ちなみに、中国の物価は、たとえば、地下鉄の初乗りが約60円(東京では170円)、スーパーで、水の600mlが2人民元(約32円)、コカコーラの500mlが2.8人民元(約45円)で買えることなどを考えると、ものの値段は3分の1程度。不動産価格は高止まりしていて、都市部であれば、1ルーム(9~24平米)で月間2000人民元(3万2400円)前後など。光熱費が1人暮らしでは月間で300人民元(約4800円)程度という水準。平均5000人民元という初任給で暮らしていくのは、決して楽ではないといえそうだ。(写真は広東省・深センのファーストフード店の朝の様子。写真提供:123RF)