アント フィナンシャル ジャパンは9月5日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで、第1回となる「ALIPAY DAY 2018」を開催した。2020年の東京五輪に向けて訪日外国人旅行者数4000万人、外国人旅行消費額8兆円をめざす日本で、小売り現場のキャッシュレス化への対応は火急の課題とされ、同社が提供する「支付宝(アリペイ)」は、訪日外国人の中心である中国人旅行者への対応で必須のアイテムになりつつある。同イベントには、アント フィナンシャルCEOであるEric Jing氏(写真)も駆けつけ、「オンライン-オフライン-オンラインというインタラクティブな消費をサポートするインフラを提供し、日本のインバウンド消費の拡大に貢献したい」と語った。

 アリペイはグローバルアクティブユーザー数8.7億人を誇る世界最大規模のモバイル、および、オンライン決済プラットフォーム。世界40の国と地域、27通貨に対応し、日本でも既に5万店以上が導入している。

 中国国内では、コンビニや商店での買い物の決済ばかりでなく、公共料金の支払い、地下鉄やバスなどの公共交通、病院の診療費など、あらゆるシーンの決済手段としてアリペイが利用され、中国国内での決済のキャッシュレス比率は60%(日本は20%程度)に達する原動力となっている。中国でのモバイル決済でのALIPAYのシェアは54.6%に達する。キャッシュレス決済に慣れた中国人が日本に旅行に来て、中国では当たり前なモバイル決済ができないことで戸惑うという事態になっている。

 アント フィナンシャルのJing氏は、「2004年のサービス開始から14年で最も安全な支払いプラットフォームとして世界中で利用者を獲得できるようになったのは、先進のテクノロジーの裏付けがあってこそ。アリババグループのイベントである11月11日の独身の日には11億件の取引が実行され、ピーク時には1秒当たり25.6万件の決済を処理している。また、クラウドデータベースの処理能力は毎秒4200万回に達し、いずれも世界的な大手サービス会社の処理能力を大幅に上回っている」と紹介した。

 また、日本のインバウンド消費のサポートのため、「旅行のマエに旅行情報サイトFliggyで日本の情報を提供する際に、割引クーポンを付与するなどによって日本旅行中の来店を誘致し、旅行中の決済、そして、旅行後にはECサイト天猫(TMALL)によって中国に戻ってからも商品の継続購入につなげられる」と、「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」においてアリババグループの各種サービスを利用してもらうことで、日本での消費を後押しできるとした。

 アント フィナンシャル ジャパン代表執行役員CEOの香山誠氏は、「訪日中国人旅行者730万人、約1.6兆円の消費額といわれるが、中国人の国外旅行は延べ1.3億人が旅行し、消費額は29兆円になる。日本まで3時間程度でやって来れるのに、全体の5%程度にとどまっている。タイより、日本への旅行者の方が少ない。また、国外旅行に出ているのは、これまでは沿岸部の6億人だったが、今後は3級都市以下の内陸部に住む人たち8億人が豊かになって国外へ旅行するようになる。旅行者を受け入れるインフラを整えることで、もっと多くの中国人旅行者を日本に呼び込むことが可能だ」と語っている。

 訪日外国人旅行者数は、2012年の840万人から、2017年には2870万人と過去5年間で4倍近くに拡大した。2015年当時に言われた中国人旅行者の「爆買い」も一巡したとされるが、現在はまだ「入口」に立ったというほどの段階として、インバウンド消費への備えを進める必要性を説いていた。