訪日中国人は増えており、真実の日本に触れることで日本への見方が変わったという中国人は非常に多い。多くの人は、日本に来て初めて、実際の日本は中国国内で受けてきた反日教育や連日放送されている抗日ドラマのイメージとはずいぶん違うことに気が付くようだ。

 そればかりでなく、日本を称賛するようにまで態度が一変するため、急増する親日派に警戒感を示す中国人がいるのも事実だ。中国メディアの上海熱線は7日、「日本を旅行するには正しい心構えが必要だ」とする文章を掲載した。

 記事はまず、人は「異質の文化に面すると、自分を見失うものだ」と指摘。感化されたとしてもそれは一過性に過ぎないことを肝に銘じ、異文化に接する場合は「心にゆとりをもって」臨むべきだと主張した。回りくどい言い方だが、つまりは日本旅行に行って感銘を受けても、自国の文化まで批判しないように、とくぎを刺しているようだ。

 それだけ中国人にとって、日本旅行が衝撃的な体験となっているとも言えるだろう。中国のネット上には、日本旅行記や旅行中の写真などであふれているが、その多くが日本はきれいで、静かで、マナーの高い国だった、といった称賛の内容だ。

 記事は、多くの中国人は日本の美しさやスローライフ、わびさびの世界などの虜になるが、それは心に「焦り」があるからだと指摘。日本という異文化に接するときは、心にゆとりを持ち、あくまで見識を広めるという気持ちと平常心で臨むのが正しい姿勢だとした。そうでないとすぐに感化されてしまい、中国の実情を強く問題視する、あるいは異文化に傾倒するようになるからだと注意を促した。

 文化にはそれぞれ特徴があるため、異文化コミュニケーションは良い刺激になり、時には自分にとっての「常識」が覆されることさえあるものだ。記事からは、日本に感化される中国人が増えていることへの強い危機感が感じられる。これは最近中国で問題となっている「精神的日本人」とも関係があるのかもしれない。いずれにしても、特定の文化を全否定するような極端な見方を避けながら、バランスを保って異文化に接していきたいものだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)