ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)のiBankマーケティングは、今年6月から取り組んでいるブロックチェーン関連技術を活用した地域ポイント管理システムの構築にアクセンチュアが開発した汎用プラットフォームソリューション「ブロックチェーン・ハブ」を取り入れる。FFGのポイントサービス「myCoin(マイコイン)」は、「ブロックチェーン・ハブ」を採用することによって、ポイント付与機会の多様化、地元経済圏の主要ポイント事業者との提携拡大、そして、地元の中小企業へのポイントサービス機能の提供などがより柔軟にスピーディに展開することが可能になる。

 iBankマーケティングが提供するスマホ専用アプリ「Wallet+」は、銀行預金等の残高確認や「目的預金」の実行・管理、また、資産運用サービス「THEO+」、個人ローンの提供などの金融機能と、情報コンテンツ、クーポン、ポイント等の非金融機能を融合したマネーサービス。FFG傘下の3行(福岡銀行、熊本銀行、親和銀行)の他、沖縄銀行も公式アプリとして採用している。このアプリで管理することもできる「myCoin」は、デビットカード決済や各種キャンペーンによって付与されるが、現在のポイント利用方法は、「目的預金」への振替(換金)の他、Tポイント、Ponta、nimoca(西日本鉄道のICカード)に交換できる程度と限定されている。

 今回のブロックチェーン技術を活用した管理システムに移行することによって、まず、ポイントの発行条件などの活用法を柔軟化できる。iBank代表の永吉健一氏は、「ブロックチェーンのスマートコントラクト機能によって、デビット決済以外のサービス利用でポイントを付与したり、雨の日に来店したらポイント付与など様々な条件でポイントを付与できる。また、加盟店での容易なポイント利用・交換、個人間でポイント送付など、貯まりやすく、使いやすい魅力的なポイントサービスを提供できる」という。

 さらに、「ブロックチェーン・ハブ」を導入することによって地域の事業者や自治体との連携もより容易になる。当初は、FFGグループ銀行のキャンペーン等への活用からスタートするものの、将来はポイントプラットフォームを地域に開放し、ポイント発行や管理を導入企業が独自に担って、独自のポイントサービスを導入企業が設計できるようにする計画だという。永吉氏は、「たとえば、カードにスタンプを押しているような小規模事業者でもデジタルポイントの発行ができ、期間中に何店舗でチェックインすればポイントを付与、加盟店の本屋と文房具屋で商品を購入すればキャンペーンポイント付与など様々なポイント活用が可能になる。地域・事業会社との連携を通じて地域経済の発展に貢献できる仕組みを作っていきたい」と構想する。

 アクセンチュア社の「ブロックチェーン・ハブ」は、次々に現れるブロックチェーン・エンジンを問わず、複数のチェーン・ネットワーク同士をつなぐことができる他、実運用で必要となるブロックチェーン周辺の仕組みを共通機能として提供する。また、複数のAPIを連携させる「ACTS(Accenture Connected Technology Solution)」や複数の外部AIを連携させる「AI-Hub」とも連携して「契約と情報を複数社/組織間で安全につなぐ」ことを実現する。

 アクセンチュアの常務執行役員金融サービス本部統括本部長の中野将志氏は、「様々な用途に特化した特徴のあるブロックチェーン・エンジンが登場し、何を選べばよいのか非常に難しい時代になっている。このタイミングで、1種類のブロックチェーン・エンジンに特化し、そのエンジンとビジネスシステムを『密結合』に構築してしまうことは避けたい。そうなると日進月歩の変化に取り残される可能性がある。大事なことは、様々なチェーン・エコシステムを同時に連携してビジネスに組み込めるような仕組みであるはず。当社は、『ブロックチェーン・ハブ』の提供によって『疎結合』で変化とスピードに強い業務システムの構築に貢献したい」と語っている。iBankコミュニケーションとの取り組みを第1号案件として金融機関を中心に先行的に展開し、その後、他業界にも広く展開・導入を図っていくとしている。(写真:左はiBankマーケティング代表の永吉健一氏、右はアクセンチュア常務執行役員の中野将志氏)