中国メディア・東方網は29日、「音楽を用いて故宮の荘厳さや偉大さを表現したのは、日本の芸術家だった」とする記事を掲載した。

 記事は、「北京の故宮は、明・清の2代にわたる王朝の宮殿で、中国の古代建築の精髄である。そして、世界で現存する最大の、最も完全な形で整った木造建築の1つである」と紹介した。

 そのうえで「後世の人びとはその規模の大きさを見て、その偉大さ、荘厳さを称賛し、多くの詩や書画などを残してきた。そして、日本のテレビ局がドキュメンタリー番組『故宮』を制作し、その音楽を日本のアーティストS.E.N.Sが作ったのだが、これが力作なのだ」としている。

 そして、「文明に国境はなく、芸術に境はない。いいものに対しては素晴らしいと賛美を与えるべきだ。わが国の悠久の歴史が蓄積してきた魅力が世の人々を感動させるのと同時に、われわれはどうして故宮に匹敵するほどの素晴らしい芸術作品を創作できないのか考えなければならない。しかも、その他地域の、故宮による歴史の洗礼を浴びていないアーティストが故宮の素晴らしい風格を帯びた音楽を作っているのである。われわれの故宮に対する理解が足りないのか、芸術に対する造形が浅いのか」と論じた。

 記事は「文明とはリアルな歴史の伝承であり、煽り立てるようなものではない。芸術に必要なのはリアルな体験であり、感受性だ。それを忘れ去ったりしてはならず、なおのことふざけたりバカにしたりしてはいけないのだ」と結んでいる。

 NHKのドキュメンタリー「故宮」シリーズは、1996年から97年に制作、放送された番組。すでに20年以上の時間が経過しているが、爆発的な経済発展を遂げる前夜だった中国にはまだまだ伝統文化を守り、そこから新たな創作をするというという余裕はなかったかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)