毎年多くの中国人留学生が日本に学びにやって来る。ただ、その目的は時代の変化に伴って少しずつ変わってきているようだ。中国メディア・東方網は19日、中国人留学生が日本留学を選択する理由を紹介する記事を掲載した。

 記事は、中国が2010年に日本を超えて世界第2の経済大国となり、「中国のシリコンバレー」と呼ばれる広東省深セン市を筆頭に急速にハイテク技術が発展していると紹介。「これまでの中国人留学生は、技術を学ぶために日本にやって来た。では今の留学生は、どんな目的をもって日本にやって来るのだろうか」とした。

 そのうえで、2年前に日本に留学にやって来たという28歳の陽さんの話を紹介している。「自分の才能を発揮できる仕事を探すために日本にやって来た」という陽さんは、現在東京にある大学で社会学の修士課程を学んでいるとのこと。中学時代から日本のアニメやマンガに触れ、中国の大学では日本語を専攻するとともに、中国国内で行われていたコスプレイベントに数多く参加していたそうだ。

 記事は、流暢な日本語を操り、しかも、英語でのコミュニケーションも取れることから中国でも就職には困らなかったのではないかとの質問に対し、陽さんが「仕事はあったが、理想とはかけ離れていた」と嘆息したことを紹介。遼寧省大連市の国営企業で、日本人の専門家の通訳を担当したが、待遇が悪かったうえに週末は日本人の買い物に付き合わされ、残業も日常茶飯事だったと答えたと伝えている。

 そのうえで「中国の経済発展は人びとが驚く速度で進んでいるが、一方でコネも財力もない一般家庭の学生は競争社会での残酷な競争にさらされる。このような状況において、日本で仕事や留学をしにやって来るというのが、エリート層からは離れた中国人が自らを高める手段の1つになっているようだ」と解説した。

 ひと昔前の中国では、日本を含む国外への留学というのはごく一部のエリート層にのみ許される特権のようなものだった。しかし今では、留学の門戸が大きく開かれたこともあって、非エリート層がキャリアを磨くために留学するというケースの方が多いようである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)