ソーシャルメディアとインターネット通販を組み合わせたSNS系通販サービス「ソーシャルコマース」が中国でも注目されている。ソーシャルコマースの概念は2013年に誕生し、15年以降に爆発的な急拡大を記録している。中国互聯網協会微商工作組と創奇社交電商研究中心がこのほど共同で発表した「2018中国社交電商行業発展報告」で、2018年の国内市場は前年比66.73%増の1兆1397億7800万人民元(約19兆1400億円)に拡大すると見通した。

 ソーシャルコマースとは、インスタグラム(Instagram)やファイスブック(Facebook)などのソーシャルメディアに商品購入ボタンや広告枠を設けて、ソーシャルメディアから直接、商品の購入等ができるようにしたEコマースサービス。従来は、SNSで話題にした商品・サービスに興味を持つと、一度そのサイトから離れて、検索の上でブランドサイトや通販サイトを探して購入手続きをするというステップが必要だった。SNS上に商品購入窓口があると、SNSを使いながら購入ができる利便性がある。しかも、SNSで登録した名前などの登録情報がそのまま商品購入でも使えるため、手間がかからないというメリットもある。

 社交電商行業発展報告ではソーシャルコマースを5つに分類し、◆B2Cプラットフーム型(小紅書、美麗説、マ菇街、萌店など)、◆B2B2Cプラットフォーム型(雲集、有好東西、愛庫存、環球捕手、好不満倉など)、◆推奨プラットフォーム型(什麼値得買、美柚、堆糖、省銭快報など)、◆共同購入プラットフォーム型(Pinduoduo、淘宝特価、京東ホウ購、蘇寧易購ホウ団、貝貝ホウ団など)、◆サービスプラットフォーム型(有賛、点点客、微盟など)――の5種に大別している。

 共同購入プラットフォーム型のPinduoduo(PDD)は、テンセントのWeChatやQQといったSNSを活用し、単品では高額な商品を一定数以上がまとめ買いすることで大変割安に購入できるサービスを提供している。商品が欲しいユーザーは、自らがより安い価格でそれを得るために、目的の商品のセールスマンと化して友人知人に積極的に商品をピーアールする。アプリ上で、のべ約3億人のユーザーを集め、2017年には取扱高が1000億人民元(約1兆7000億円)を超えた。

 ソーシャルコマースの従事者は、2018年に前年比50.22%増の3032.6万人に伸びると予測される。2020年には、中国商務省が予測する中国ネット小売市場規模(9兆6000億人民元)の31.3%を占める3兆人民元近くにまで伸びる見通しだ。

 市場調査会社の艾媒諮詢によれば、中国のSNS系通販サービス利用者数は、2017年に2億2300万人に達した。18年は3億1000万人まで増える見通し。こうしたサービスは知り合い同士のネットワークが商品購入のきっかけとなるため、宣伝が効率よく拡散し、リピート率が高くなる傾向がみられている。

 中国のソーシャルコマース市場は、2015年に爆発的に市場が拡大したが、虚偽広告やピラミッド型の支払い報酬などによって消費者離れを起こした。2016年頃から、業界が健全な発展の法則を見出し、2017年から緩やかな発展期に移行し、今年は成長が加速する見通しだ。(イメージ写真提供:123RF)