中国の新エネルギー自動車(NEV)市場が揺れている。6月のNEV販売は、前年同月比42.9%増と、5月の増加率125.6%から伸び率を大きく落とした。これは、NEV補助金の修正(減額)による影響が大きい。また、米国テスラには、中国政府の報復関税の影響で、大幅に販売価格が上昇しており、米国との貿易摩擦が落ち着くまでは、購入を一時見合わせようという動きにもつながっているようだ。

 新エネルギー乗用車は、純電気の販売台数が5万2000台。前月比で20.7%減少した。半面、プラグインハイブリッドは販売が125.8%増の2万2000台に拡大している。新エネルギー商用車の販売動向は、純電気が26.4%減の1万1000台に低迷。プラグインハイブリッドは68.2%減少し、1000台未満にまで縮小した。

 6月の伸び鈍化は、NEV補助金制度の修正によるもの。同制度の2018年度版プランは、6月12日に正式適用された。純電気乗用車(EV乗用車)については、航続距離が長いほど補助金を増額したものの、17年は2万人民元(約33万4000円)を給付していた「100キロ以上150未満」を補助対象から除外。プラグインハイブリッド乗用車の補助金も、2万4000→2万2000人民元に8%減額した。

 このような中、米テスラの販売価格は、米中貿易摩擦の関係で大きく動いている。「Model S 75D」の販売価格は、年初75万8900人民元(約1270万円)だったものが、7月7日には中国の報復関税が加味され、84万9900人民元(約1430万円)にまで上昇している。中国は今年7月1日から完成車にかかる輸入関税を一律25%から15%に引き下げた。その際には、「Model S 75D」の価格も4万人民元の引下げがあったものの、7日には、一気に15%の関税引き上げが適用されて価格が跳ね上がった。これほど大きな価格変動があると、さすがに消費者の購買意欲は衰える。

 テスラでは7月10日に、上海市に2年後には年間50万台が生産可能なギガファクトリーを設置する発表を行った。2017年のテスラの販売実績が全世界で10万3000台程度だったことと比較しても思い切った規模の工場になる。なお、2017年で米国から中国への輸出台数は1万5000台程度だった。(イメージ写真提供:123RF)