日本経営管理教育協会が見る中国 第522回 ――大森啓司

■8回目の中国訪問で学んだこと

 2018年今年は6月5日~8日まで中国・北京でのシンポジウムに参加した。訪問の都度、毎年ハードルが上がっている。

 今回は初日後半の司会(主持人)をする事が前日に依頼された事である。講演や日本のメンバーの紹介であれば準備ができるが、司会とは講演者お話しからまとめをしなければいけません。特に最後の総括は「もう大変!」であった。

 当日は、たどたどしい中国語でまとめますと、皆さんから拍手を頂き安堵、今回はシンポジウム以外の中国で体感した話題を紹介してみたい。

■QRコードで驀進する中国

 昨年度は、レンタバイク(自転車)の数に圧倒されたが、その勢いは止まっていなかった。日本でも、中国の「シェアサイクル」が日本でも紹介されるようになっている。

 中国では以前から「公共自転車」という名、日本語で「コミュニティサイクル」がすでに存在する。これは日本でも導入されたシステムである。

 しかし、中国でこの1、2年で急速に普及し始めたシェアサイクルは異なる。専用駐輪スペースをもたず、利用者がスマホで最寄りの自転車(GPS搭載)を検索してQRコードで解錠(鍵にSIMカード内蔵)して使用し、乗り捨てが可能というものだ。

 シェアサイクル業界では早くも競争が激化、利用料金30分1元(約16円)の先行業者に対し、後発組が値下げで対抗し、価格競争が展開されている。

 IT技術の発展とスマホの普及で、シェアサイクルはまさにインターネットの普及と共にある新興ビジネスだ。

 先駆者である「ofo」の例で言えば、アプリのダウンロード等の利用手続きも決済も、中国IT大手テンセントのアプリ「微信」を通じて行われる。

 GPSによる待機自転車探し、自転車の番号入力、解錠から利用時間と距離の測定、支払いまで全て自分のスマホ1台でできるという便利さだ。

 小生もさっそく、今回の出張で試乗した。安全性という部分では多少の問題はあるが、日本と比べて地下鉄の駅間の距離が遠い中国、どこからでも乗れ、どこでも乗り捨て可能という良さには頭が下がる。

■学びたい中国の貪欲さと心配り

 日本の場合には、種々の規制によりこのシステム導入が困難である事は周知の事実である。

 ただ経済大国2位だけあって、その変化の速さには目を見張るばかりである。今回のシンポジウムで中国は日本の事例紹介を多数求められ、それに答えてきた。日本側のスタンスとしては、旧態以前の「教えてあげる」感が強い。

 しかし時代は逆転、今は日本が中国からその貪欲さを教えてもらう時代になったと感じるのは私だけだろうか。(写真は、北京でシェアサイクルに乗る筆者。提供:日本経営管理教育協会)