台北地方検察署、刑事警察大隊電信偵査大隊(第一隊)、保二総隊刑事警察大隊(偵一隊)、台北市政府警察局大安分局は、2018年6月14日、インターネット上に違法アップロードされた動画をテレビで視聴する為の機器(不正ストリーミング視聴機器)を販売し、さらに動画の違法アップロードも行っていたとして、台湾在住の男性4名、女性2名の計6名の容疑者を逮捕した。一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA・島谷能成・後藤健郎代表理事)と現地の調査機関IFACT-GCの情報提供が逮捕のきっかけになった。

 逮捕当日には台北市、桃園市ほか計5カ所で家宅捜索が行われ、サーバ40台、衛星コード解除機10台、不正ストリーミング視聴機器「Qbox」100台、スマートホン、パソコン、帳簿などが押収された。なお、日本コンテンツに係るデジタル放送対応の不正ストリーミング視聴機器が摘発されるのは、世界で初めて。

 不正ストリーミング視聴機器は、オンライン上の動画コンテンツをストリーミング受信し、一般のテレビで視聴可能にするセットトップボックス(STB)と呼ばれる装置で、日本で放送される全ての番組(地上波、BS・CS全42局)がほぼ同時刻に台湾で無料視聴することができる。販売価格は1台あたり約3000台湾ドル(約1万1000円)だった。

 現在、これら不正ストリーミング視聴機器は、EU諸国を中心に世界各国でさまざまなテレビ番組が不正に視聴されることから大きな問題となっている。また、これら機器を介しオンデマンドで映画などの侵害動画も視聴できることから、MPA(モーション・ピクチャー・アソシエーション)などはこうした機器による不正ストリーミング視聴を「Piracy 3.0」と呼び、最重要課題に指定している。(MPAは、P2Pによるダウンロード侵害を「Piracy 1.0」、ストリーミングによる権利侵害を「Piracy 2.0」と表している。)

 利用者が違法性に気付かず機器を使っているケースも多々あるが、不正ストリーミング視聴機器の流通はコンテンツ産業にとって最大の脅威となるほか、この売り上げは、世界各国で組織犯罪やテロ組織の資金源となっている可能性が指摘されており、世界中の権利者や著作権団体等が連携し対処に当たっている。また、CODAは、「購入者は犯罪行為者に対し資金のみならず個人情報や支払い情報も提供しているということについても考慮すべきである」と指摘している。(写真は、押収された機器など。提供:CODA)