中国には数千年の歴史を誇る東洋医学(中医)があり、中国人にとって漢方薬は非常に身近な存在だ。だが、中国メディアの今日頭条は5月31日、「日本人が中国の宝で世界中で荒稼ぎをしている」という記事を掲載し、中国生まれの漢方薬で稼いでいるのは日本人であることに悔しさを滲ませている。

 記事はまず、「中薬」(漢方薬)は中国の宝であると主張。だが、中国の漢方薬は世界市場の2-3%ほどしかシェアを獲得できておらず、それに対して日本で作られた漢方薬は世界で圧倒的なシェアを獲得していると強調。そして、日本の漢方薬に使用される原材料の多くは中国からの輸入であるのに、中国人も日本から漢方薬を購入していること指摘し、こうした逆転現象は中国人としては「悲しく、悔しいこと」と紹介した。

 続けて、日本が中国の宝である漢方薬でお金を稼いでいる原因について紹介している。最も大きな原因は、「中国の管理体制がしっかりしていない」ことにあると指摘。中国では偽物の漢方薬が出回っているため、結果として消費者の信用をなくしてしまっていると紹介した。

 では、日本で加工された漢方薬が消費者の信用を勝ち得ているのはなぜなのだろうか。記事は、「日本人の徹底した品質管理」が鍵であると指摘している。日本では漢方薬の質を落とさないために独自の規準を設け、農薬や化学肥料をできるだけ使用していない生薬を使用するため、残留農薬や重金属に汚染されていない漢方薬を消費者に提供できていることを紹介した。

 記事は、中国の宝である漢方薬の世界シェアをなんとしても取り戻そうと読者に訴えかけているが、これは難しいことと言えるだろう。13億以上の人口を誇る中国ではさまざまな人がいる。目先の利益のために消費者のことなど意に介さない人も大勢いるのが現実だ。漢方薬は薬である以上、安心・安全が担保されなければならないが、現在の中国ではなかなか難しいのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)