独立後初の政権交代が実現したマレーシアにおいて、日本と中国が受注を目指していた高速鉄道プロジェクトが中止となる可能性が浮上している。マハティール首相はこのほど、財政支出の削減に向けてシンガポールとマレーシアを結ぶ高速鉄道プロジェクトを中止する可能性に言及したという。

 中国メディアの快資訊は28日、マハティール首相が英紙フィナンシャルタイムズの取材に対し、「高速鉄道のように、収穫の見込みが小さいプロジェクトは放棄する必要がある」と述べたことを伝えつつ、中国も受注を狙っていただけに「中止となれば非常に残念」であると伝えている。

 記事は、マハティール首相が5月23日に「シンガポールとマレーシアを結ぶ高速鉄道プロジェクトを継続するか、速やかに決定する必要がある」と述べていたことを紹介。また、すでに同プロジェクトについてシンガポール側と調印を済ませていたため、中止とした場合はシンガポールに違約金を支払う必要があることを認識していたと伝えた。

 続けて、同高速鉄道プロジェクトはマレーシア政府にとって「経済構造を転換させるための重要なプロジェクトだったはず」だと伝え、ドイツやフランス、韓国、日本、中国などの企業が「極めて大きな関心を示していた」と指摘。特に日本と中国は高速鉄道に関する高い技術と豊富な経験を有しているがゆえに、同プロジェクトの受注競争における有力候補とみなされていたと伝えた。

 また記事は、中国は「同高速鉄道プロジェクトを極めて重視していた」と伝え、中国側はすでに中国鉄路総公司を中心とした企業連合(コンソーシアム)を立ち上げていたほか、中国の金融機関も資金の投融資に向けた準備を進めていたと指摘。同プロジェクトが本当に中止となった場合は「非常に残念」であるとしたうえで、失望感をにじませた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)