中国の3大通信事業者の筆頭で、世界最大の移動体通信会社China Mobile Communications Corporation(チャイナ・モバイル)が、東京にチャイナモバイル・インターナショナル日本法人を設立した。2020年東京オリンピック開催に向け、訪日旅行者へデータローミングサービスなどを提供するとともに、日本に進出する中国企業および海外に進出する日本企業へのサポート体制を強化することが目的という。

 5月23日に東京都内で日本法人の開所式が行われ、式には、駐日中国大使館の宋耀明・経済商務公使、総務省の高木誠司・国際戦略局次長、チャイナ・モバイルの簡勤・副社長、チャイナモバイル・インターナショナルの李鋒・董事長兼最高経営責任者(CEO)が出席した。

 駐日中国大使館の宋氏は、「2020年東京オリンピックの開催に向け、日本では多くのビジネス機会が創出され、世界中、特に中国からの旅行者が大幅に増加することが予想されます。通信サービスは日本のインフラ構築における優先すべき主要な開発分野の1つとなるでしょう」と述べた。

 また、総務省の高木氏は、「情報通信分野での協力関係の推進において、政府の協力も重要ですが、両国間の関係強化に向けた主体は、企業となります。日本の情報通信分野の企業は中国で活発にビジネスを行い、グローバルに中国企業との協力を進めています。また、日本国内でも、中国企業が活躍されています。そういう中で、世界最大の加入数を誇るチャイナ・モバイルの子会社であるチャイナモバイル・インターナショナル社が、日本オフィスをオープンし、日本での事業の飛躍を図られるということは、大変時宜を得たものであると考えております」と語った。

 チャイナ・モバイルの簡勤・副社長は、「東京に日本法人を設立したことにより、情報通信インフラの相互接続性の促進、および、5Gネットワークやモノのインターネットをはじめとする新技術の連携を推進していきます。日本オフィスでは、日本に進出する中国企業に対してローカライズされた高品質な通信ネットワークサービスを提供するとともに、中国、アジア、欧州諸国で拠点を拡大する日本企業に対しても、通信の架け橋を構築していきます」と東京オフィス開設の狙いを語った。

 チャイナモバイル・インターナショナルは、香港に本社を置き、現在20ヶ国・地域で事業を展開している。世界中で40の海底・陸上ケーブル、アクセスポイント138カ所を展開しており、今後3年間で10のグローバルデータセンターを構築することを目指している。アジアにおいては、伝送・通信、IP・VPN、インターネットなどのサービス提供のため、アクセスポイント41カ所を構築したほか、アジア地域間の大容量接続やグローバルデータセンターの相互接続の実現に向け、NCP、SJC2などの海底ケーブルプロジェクトの建設にも参画している。

 中国では、次世代の通信インフラである5Gの設備投資が急速に進みつつある。中国で本格的なビジネス展開を考える日本企業が、中国国内の通信インフラを整備しようとしたときに、チャイナ・モバイルの日本法人は、有力な相談相手になる。NTTドコモをはじめとした国内の通信事業者も日本国内における実績をベースに、中国でのインフラ提供を働き掛けるだろうが、中国での通信インフラ対応では現地のチャイナ・モバイルに優位性があるだろう。大きな消費市場として中国大陸が浮上するなか、日中の架け橋としての活躍が期待される。(写真は左から、チャイナモバイル・インターナショナルの李鋒・董事長兼最高経営責任者、駐日中国大使館の宋耀明・経済商務公使、総務省の高木誠司・国際戦略局次長、チャイナモバイルの簡勤・副社長、浜田明チャイナモバイル・インターナショナル・日本オフィス統括責任者。提供:チャイナ・モバイル)