日本経営管理教育協会が見る中国 第513回--大森啓司

■外資に市場開放を促す中国

 習近平国家主席は、4月10日海南省博鰲(ボアオ)でアジアフォーラムに出席、国内外の実業家と懇談した。その際習主席は「中国経済の発展には広大な将来性がある。中国は確固不動として改革開放を推進する。発展方式の転換を加速し、対外開放政策を遂行し、引き続き外国企業により良い環境と条件を提供する。中国の発展は世界に一層の貢献を果たす」と強調。当会は本年6月の北京でのシンポジウムでも、この開放型経済に向けた日本の成功事例を要請されている。今回は、中国のこれからの開放策の今後にについて述べてみたい。

■各国が評価する中国への投資環境・経営環境

 同プログラムでは、中国国外の企業の責任者が出席。中国での投資・経営状況を説明した。その一例を述べる。

 米ペプシコ社は中国政府に引き続き開放の拡大を要請、農業やグリーン経済分野で外資系企業の投資拡大を後押し、公平な競争環境を築くよう求めた。

 オーストラリアのフォーテスキュー・メタルは、同社が鉄鉱石の対中輸出では世界で最も成功した企業の一員と紹介。中国の社会事業の発展にさらに参加すると表明した。

 タイ・CPグループも内需を一層拡大し、農業・サービス業の発展を先導し、中小企業を中心に民営企業の発展を支援し、さらに多くの企業が「三農」(農業の振興、農村経済の成長、農民の所得増加と負担減少)分野に参入できるようにすることを提言した。

 これらの企業にでてくるキーワードは資源・農業・環境。これからの中国の経済を大きく左右するものと判断される。

 習主席は「世界経済は依然として不安定・不確定に満ちている。経済再生は複雑でとても長いプロセスだ。しかしアジア経済の成長は強い。こうした背景の下、誰もが中国経済の展望に非常に関心を持っている」と述べた。

 加えて「中国の発展は全般的に良い状況にある。中国は今後相当長期間、発展の上昇期にあり、工業化、情報化、都市化、農業の現代化が巨大な国内市場をもたらす。

 中国は発展推進の重点を質と効率の向上にシフトし、環境両立型発展、循環型発展、低炭素型発展の推進に力を入れる」と指摘したことからもその事が裏付けられる。

 さらに習主席は、「中国の市場環境は公平だ。中国大陸部で登記した企業は、いずれも中国経済を構成する重要な一部だ。われわれは各種企業が法にのっとり平等に生産要素を使用し、公平に市場競争に参加し、同等に法的保護を受けられるように努力する」と強調した。

 これらの発言から、習主席の強気の発言が伺える。

■摩擦回避・交渉材料にしたい中国

 習主席の講演を後押しするわけではないが、確かに日本で数年間に見た「中国人の爆買い現象」は日本の経済に大きく寄与した事は間違いない。しかし米国が中国との貿易摩擦で今後、どのような対策をとってくるのか、習主席の眼はアジアから米国に変わってきたとみるのは私だけだろうか?
(写真は、懇談会場海南島の三亜市海水浴場。提供:日本経営管理教育協会)