何か新しいものにみんなが飛びつこうとするには、既存の物やシステムに大いに不満があり、新しいものがその不満を解消してくれると魅力を持つという条件が必要だ。「支付宝」(アリペイ)をはじめとする中国式モバイル決済は、あくまで中国人消費者が抱えていた大いなる不満を捉えたからこそ成功を収めたのである。

 中国メディア・参考消息は26日、日本人が中国式のモバイル決済に興味を示さない理由について、香港メディアが「中国の特定の環境を海外に移植するのは難しい」と評したことを伝えた。

 記事は香港紙・香港経済日報電子版の20日付報道を紹介。昨年末までにアリペイを導入した日本の店舗が4万5000軒にのぼり、大手免税店、デパート、家電量販店さらに大手コンビニチェーンで続々と導入が進んでいるとする一方、利用者の99%は中国からの観光客や出張者、そして中国人留学生であると指摘した。

 そして、日本では個人情報の保護が重視されていて、アリペイなどのような第三者による決済サービスが普及しにくい環境であると説明。一方で、日本にはすでに便利で信頼できるクレジットカードの利用環境が整っていると指摘。20歳以上の日本人消費者が持つクレジットカードの平均枚数が2.6枚と、中国大陸の0.31枚を大きく上回っていることを伝えた。

 香港経済日報はそのうえで、「考えるに値するのは、日本人が第三者決済手段に対して抵抗を覚えるというのは、社会が進んでいるか遅れているかという問題とは無関係。主に消費習慣、金銭感覚、プライバシー重視の影響によるものだ。言ってしまえば、モバイル決済が中国大陸で急速に普及したのは、その特定の社会的要素や条件があったからであり、その他の地域にそのまま移植するのは難しいのだ」と論じている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)