日本経営管理教育協会が見る中国 第511回--下崎寛

■在日外国人数

 日本の法務省入国管理局は平成30年3月に「平成28年末現在における在留外国人数について(確定値)」を発表した。それによると、日本に中長期に在留または永住している在日外国人の数は238万人(ちなみに永住者は、特別永住者(在日韓国、台湾人)を含めて約100万人、在日外国人の約45%占める。)に上り、前年末に比べて15万人の増加で、過去最高を継続している。この在日外国人の推移は、平成20年から東北大震災までは減少傾向あったが、平成24年から増加傾向にあり、平成27年末で、過去最高となり、この傾向が現在まで続いている。

■増加の主因は留学生の増

 その特徴は、留学生の増加にある。日本に在留し就労するためには、原則、会社経営者か高度人材しか入国できない。特別に、技能実習ということで入国し短期的に就労ができる制度があるが永住者になることができない。技能実習は、少子高齢化や労働需給のミスマッチにより日本人の労働力が著しく不足している分野(農業、水産業、建設業、介護・看護等)に外国人の労働力を受け入れしようとする日本側の切実な実情がある。

■永住者を目指す

 なお、日本において、自由に働くことができるのは、留学生として入国し、卒業して、留学生の職種に合致した会社に勤め、10年以上日本に居住していなければ、自由に働ける永住者の資格が取れないことになっている。また、その間、犯罪者になってしまうと永住者の資格は取れない。

 ということで、自由に働ける永住者を目指す外国人の若者が増えてきた理由であろう。

■留学生の増加率の高いのは中国人とベトナム人

 この留学生の増加率が高い国は、第1位が中国人であり、最近では、ベトナム人が第2位となっている。

 ところで、在日外国人の日本の総人口に占める割合は、約2%といわれている。この数字は、欧米諸国に比べると相当少ない。その理由としては、日本では、単純労働者の入国は認めていないことである。いわゆる、移民は認めていない。

■移民制度の導入は慎重に

 それでは、少子高齢化が進みつつある日本も移民制度をつくり、単純労働者を入れるべきであろうか。

 移民制度を認めると移民が稼ぐことでGDPが増加し、日本人の経済が発展するかというとそうでもないらしい。治安問題、低所得者層の仕事の問題等があり、低スキル労働者から企業へ所得移転が進み、今以上に貧富の差が激しくなるであろうといわれている。

 また、移民者の日本語の学習のコスト(日本語教育しないとスラム化が起こる。)、移民者の生活保護の問題で財政負担が増えることも考えられる。日本の生活保護は、日本人以外でも外国人が住所を日本に有していれば、だれでも受けられるシステムになっていることも影響がある。

 この移民制度は、日本の経済社会に大きな影響を与える問題であり、目先の問題ばかり捉われず、長期的な影響を十分に検討し、国是を決めなければならない時期に来ているものと思われる。(写真は、北京国際空港。提供:日本経営管理教育協会)