上海で中国で初めての「5G普及モデル区」が年内にも稼働する。中国で12日までに複数のメディアが大きく伝えている。5G(第5世代移動通信)通信速度は、4Gの平均20倍、最大値で60倍に速まる。通信速度のアップによって、無人運転の場合は4Gでは停車指示が出てからブレーキをかけるまでの空走距離が約1メートルとされるところ、5Gでは17ミリメートルに短縮可能など、一気に実現化へ向けたハードルが下がる。5Gモデル区では、スマート医療、産業用ロボット、IoT(モノのインターネット)、VR(仮想現実)などの各種商用化実験が様々に繰り広げられる見通しだ。

 上海虹橋商務区管理委員会と中国電信(チャイナ・テレコム)がこのほど、「5G普及モデル区を整備するための戦略提携協議」を締結し、新たなネットワーク整備、プラットフォーム立ち上げ、新たな事業開始を共同で進めることで合意した。日本では2020年の運用開始をめざして整備が図られる次世代ネットワークを地域限定とはいえ、1年以上前倒しで実用化することになる。

 5Gの対象エリアになるのは、中国国家会展中心(中国国家エキシビジョン・コンベンションセンター)の館内、虹橋枢紐(総合交通ターミナル)の室内、核心区の全域。上海国家会展中心は、上海市虹橋ビジネスエリアの西側に位置し、地下鉄虹橋駅、高速鉄道駅、虹橋空港と接続。総建築面積147万平方メートル、地上建築面積127万平方メートルで、世界的に面積最大の建築物と展覧会を総合した施設。虹橋枢紐も立地する虹橋ビジネスエリアの核心区全域は140万平方メートルになる。この地域には、日本企業の拠点も多い。

 スマートフォンの利用など、パーソナルユースでは4Gで特に不自由を感じるような通信速度ではないが、5Gは産業を大きく変えるインパクトがある。5Gモデル地区から世界に先駆けて発信される新しいビジネスに注目していきたい。(イメージ写真提供:123RF)