中国が国家戦略に据えている高速鉄道。これまで中国の主な長距離移動手段だった普通列車とは、車両のきれいさも乗り心地の良さも、もちろん速さも大きく改善され、中国人の生活を大きく変えたと言えるだろう。では、高速鉄道の登場で普通列車は中国人の生活に必要なくなる日が来るのだろうか。中国メディアの今日頭条は10日、高速鉄道が普通列車に取って代わるのかについて分析する記事を掲載した。

 記事は、高速鉄道の発展で普通列車がなくなるのではと考える人もいると紹介する一方で、中国人筆者の個人的な意見として「当分は高速鉄道が普通列車にとって代わることはない」と主張。高速鉄道は乗り心地が良くて速く、サービスも良いのは事実だが、「やはり価格が問題」だという。

 もっとも、利便性さを考えれば中国高速鉄道の乗車料金は決して高い額ではないと言えるだろう。新幹線と比べても安いと言える。しかし、普通列車の安さにはかなわず、出稼ぎ労働者や学生が帰省する場合には、今でもやはり経済的な理由から普通列車が選ばれることが多い。

 特に、長距離の移動では普通列車が選ばれることが多いようだ。これは、中国の普通列車は寝台列車があり夜間も運行するが、高速鉄道は夜間に点検をしているため基本的に夜間の運行はないことと関係しているという。広い中国では、いくら高速鉄道でも国の端から端までを昼間の時間だけで移動することは不可能だ。この点、遅いとはいえ夜間も運行する普通列車の方が便利なのだという。

 また、距離が長ければそれだけ運賃も高くなるため、高速鉄道も飛行機も値段がさほど変わらなくなる。そうなると高速鉄道より飛行機を選ぶ人の方が多く、第2候補として鉄道が考慮され、高速鉄道が候補にあがることはないと記事は分析。したがって、今の中国では移動の手段として鉄道の需要がやはりまだ大きいとした。

 全国に張り巡らされるようになった中国の高速鉄道だが、昔ながらの普通列車もいまだに現役であり、高速鉄道にはない違った味わいがある。速いばかりではない、中国ならではの列車の旅を体験してみるのも良いかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)