中国とロシアが共同開発している長距離旅客機「CR929」。これは長距離路線向け商用ワイドボディ機で、中国とロシアの企業が50%ずつ出資して合弁企業を設立し、2025年の運用開始を目指して開発を進めているものだ。中国は近年航空産業の発展に力を入れており、小型ジェット旅客機ARJ21で旅客機の自主開発に成功し、17年5月にはジェット旅客機C919の初の試験飛行を成功させている。

 中国メディアの今日頭条は10日、CR929に関する記事を掲載した。この事業は中国とロシア共同のプロジェクトであるが、ロシアの専門家は、高品質のジェット旅客機の成功にはロシアの技術が不可欠だとしているという。

 記事は、2兆3000億ドルもかけているというこの一大プロジェクトについて、中国もロシアも将来に焦点を合わせていると指摘。中国にはジャンボジェット旅客機の研究開発の経験が不足していて、ロシアは資金や電子システム、そして部品の生産能力が不足しているため、「互いに補い合う」関係だと論じた。

 しかし、ロシアの設計者がこのプロジェクトについて「両国にとって十分メリットがある」と称賛し、近年中国が航空業界で投資した資金と人材と成果を示したものの、「複雑な技術となると中国はロシアに頼りきりで、ロシアなしには高品質の航空機を作れない」と意見を述べたことに記事は不服を示した。

 記事は、確かに中国はワイドボディ機の技術経験が乏しく、単独で開発をするとしたら時間もコストもかかるだろうとしつつも、「品質については議論の余地がある」と主張。中国にはすでにC919の例もあり、「中国はロシアなしには高品質の航空機を作れない」という主張は筋違いであるとした。

 むしろ、ロシアが最後にワイドボディ機を開発したのは30年以上前であり、今回のCR929は技術的な観点から言えばゼロからの開発も同然だと主張。ロシア側の言い分も一定の真実性はあるものの、「自分を持ち上げるための手段であり、すべてを真に受ける必要はない」と結んだ。この記事から、航空業界でも次々と成功を収めている中国がますます自信をつけている様子を垣間見ることができる。いずれにしても、この先の航空業界は中国の台頭で、激しい競争となっていくに違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)