中国で展開する米系スーパーマーケットのウォルマートで、アリババ系の「支付宝(アリペイ)」が突然使えなくなったと、消費者の不満が爆発している。消費者からは「外出する時にはスマートフォンしか持って出ない。レジで突然、アリペイでは支払えないといわれても困る」などと混乱が広がっている。これは、ウォルマートがアリペイのライバルである「微信支付(ウィーチャットペイ)」の運営会社であるテンセント・ホールディングスと協力関係を強化したためという。広州日報などが伝えている。

 中国華西地区(雲南省、貴州省、四川省、重慶市)のウォルマート店舗でアリペイによる支払いが受付が停止されたのは3月15日から。それまでは、アリペイもウィーチャットペイもどちらでも使えたものが、突然、アリペイの受付が停止されたことで混乱したようだ。ウォルマートは現在、中国国内で400カ店以上の小売店を展開している。華西地区では、3月15日から「微信支付の利用に特化した値引きサービスを実施する」と発表していたが、そのキャンペーンに合わせてアリペイの支払い受付が止まった。

 アリババグループが展開する「アリペイ」とテンセントの「ウィーチャットペイ」は、中国の2大モバイル決済のプラットフォーム。現在、両陣営では小売チェーンとの提携合戦が繰り広げられている。アリババグループは、蘇寧、世紀聯華(Century Mart)、大潤發連合(RT-Mart)などと提携。一方、テンセントは、ウォルマート、カルフール、京東商城(DJ.com)、永輝超市(Yonghui Superstores)などと提携し、中国国内で覇を競っている。

 中国の消費者は、「アリペイ」も「ウィーチャットペイ」も両方のアプリをスマートフォンに入れているため、「どちらかが使えれば問題ない」という声もあるが、実際の消費者の立場からは、一方でしか使えないなどと制限されては、間違いなく不便なことだ。利便性が高いが故に、急速に普及している中国のモバイル決済市場だが、リアル店舗を巻き込んだ勢力争いは、どのような展開になっていくのだろうか。消費者の利便性に配慮しないと、成長の芽を摘みかねない。(イメージ写真提供:123RF)