世界の工場と言われた中国の製造業も、最近ではずいぶんと様変わりしているようだ。中国国内でも経済の発展に伴い低価格・低品質の製品に対する需要が減少しており、輸出を主とする商品ならばなおのこと高い品質が求められるようになっている。中国メディアの今日頭条は22日、中国のある傘メーカーの社長が、改革のため日本を研究したとする記事を掲載した。

 記事が紹介しているのは、浙江省にある傘メーカーだ。浙江省紹興市にある上虞(じょうぐ)区は傘の一大生産地として知られている。この地域では傘で経済が成り立っているといっても過言ではないというが、知名度も質も低く、特筆すべきは生産量だけという状況だったという。

 記事は、生き残りをかけて日本を研究することにした社長について紹介。かねてから日本など海外に輸出していたというこの工場だが、当初は対等の関係ではなく、「受動的」だったという。欲しい物がはっきりしている日本企業が主導権を握り、言われたものをただ作るだけの中国工場には、発言権がないことに気が付いたそうだ。

 これには理由があり、中国の下請け工場が往々にして納期を守らず、どんなものをどんな材料で作るかにも無頓着なので、日本企業から対等の扱いを受けられなかったらしい。これに気づいた社長は、商品開発に力を入れたとしている。日本では使い捨てとして使用するビニール傘が多いことに着目し、ごみの分類が細かい日本人の生活に合わせた、すべてプラスチックでできている傘を開発。さらには、ミニサイズの傘、台風にも耐える傘、ナノ技術を利用した撥水効果の高い材質の傘もあると紹介した。

 厳しい競争に打ち勝つためには、市場を理解し需要に合った製品を開発するのは製造業の基本に違いない。記事は、たゆみない市場研究と商品の研究・開発に励むこの社長に感心しているが、中国の製造業が様変わりしていると感じることができる企業だ。今までの質より量で勝負する製造業では、もはや中国でも生き残れない状況になっているようである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)