中国では食品の安全性に不安を感じる人が多く、特に赤ちゃんが口にする粉ミルクは多少高価でも輸入品を購入するという親は多い。こうした背景もあり、日本製の粉ミルクを買い求める中国人消費者も多いのだが、中国メディアの千尋生活はこのほど、アサヒグループ食品がスティックタイプの粉ミルクを自主回収すると発表したことを紹介し、これが中国人に与えるであろう波紋についてが取り上げた。

 記事は、中国人の間で長年、日本製品は「高品質」の代名詞と認識され、多くの中国人が日本で温水洗浄便座や電気炊飯器、鉄器、ランドセルなどを買い漁った時期があったことを紹介。これらの行動は裏を返すと「中国製品は信頼できない」という現状が反映されていたと指摘した。

 しかし、2017年から立て続けに発覚した日本の製造業の不祥事に関するニュースが中国でも頻繁に報道され、多少なりとも中国人の日本製品に対する見方に影響を与えたのも事実だ。では今回の粉ミルク自主回収の発表は、さらに追い打ちを掛けて日本製品の評判を落とすものとなったのだろうか。

 記事は、結果はその逆であると分析している。なぜなら、今回アサヒグループ食品が行った自主回収は「品質保持のための窒素ガス封入が不十分で、商品内の酸素が十分に低下していないものがあることが判明した」というもので、これにより「風味が損なわれる恐れ」があるというのが回収の理由であったと紹介。中国人からすると「いわゆる乾燥剤の不足を気にする購入者などいない」のに、それでもコストをかけて回収するのが理解できないのだと論じた。

 しかし、今回のアサヒグループ食品の行動は、中国人に「消費者に向き合う真摯な姿勢」とはどのようなものかを伝えると同時に、「日本の製造業にはまだ匠の精神が存在していることを示すものとなった」と伝え、中国製造業も技術こそ向上したが、こうした精神的な面では「まだまだ日本企業には及ばない」と論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)