中国ではこのごろ、「精日(精神的日本人)」という言葉が話題となっている。これは「日本人と同じ精神を持つ中国人」という意味合いながら、「日本の軍国主義を崇拝し、同胞を嫌う中国人」を指す言葉として使われている。

 この言葉が注目を集めたきっかけは、中国国内で旧日本軍の軍服に身を包んだ中国人が南京事件記念館で記念撮影を行い、中国人たちの怒りをかったことだった。中国の王毅外交部長(外相)も、「精日分子は中国人の堕落者だ」と怒りを示したほどだ。

 現在の中国では「日本に好意を持っている」という類の言葉を口にできない雰囲気となっているが、中国メディアの観察者は14日、日本のアニメが好きだというだけで「精日」なのかと疑問を投げかける記事を掲載しつつ、「日本アニメが好きだったり、日本料理を好んで食べるだけで精日扱いされるのは納得がいかない」と伝えている。

 記事の中国人筆者は日本アニメのほか、日本料理や日本文化も好きなようだが、そのせいで「精日」扱いされることが多いようだ。記事は「精日の中国人たちの過激な行動によって、アニメ好きの中国人たちは迷惑を被っている」とし、アニメが好きだからといって「精日」かといえば、それは「絶対に違う」と主張。アニメを見るのも、日本料理を食べるのも中国においては個人の合法的な権利として認められており、そもそも国外の優れた文化を好むことは、自国に対する愛国心を阻害するものではないと論じた。

 また、日本のアニメを好むことは軍国主義の日本を崇拝することは同じことではなく、日本の軍国主義に反対することと矛盾しないと主張。なぜなら日本のアニメは日本の軍国主義や右翼主義と一致するものではないためであるとし、「日本のアニメを好むこと」と「中国に対する愛国心」は矛盾せず、対立もしないと主張した。

 記事の主張からは、日本のアニメが好きだと公言していた中国人たちは、周囲から日本の軍国主義を崇拝する「精日」の人なのではないかと疑われ、苦しい立場に追い込まれていることが見て取れる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)