日本の自動車市場では軽自動車の割合が非常に高い。これは、小回りや燃費など実用性を重視する日本人ならではの好みが反映していると言えそうだ。日本と対照的に、中国では大型車が好まれる傾向が強いが、その最も大きな理由は「メンツ」にあると言えるだろう。

 しかし、中国でも数年前には日本の軽自動車風の車が販売された時期もあるという。中国メディアの易車網はこのほど、日本人が最も愛する軽自動車は「実はかつて中国にも存在していた」と紹介する記事を掲載した。

 その「日本の軽自動車風の車」とは、長城汽車(グレートウォール・モータース)が2009年に発売した「酷熊(クールベアー)」だ。「軽自動車風」としているが、この車の排気量は1500CCであったため、日本の規格では軽自動車は排気量660cc以下となっているため、正確には軽自動車ではない。中国人にとってはワゴンスタイルの小型車は軽自動車のように感じるのだろう。それはともかく、「酷熊」はわずか1年で生産停止になってしまったが、記事はSUV車が得意というイメージの長城汽車のチャレンジ精神を高く評価している。

 この幻の酷熊について、記事は「箱型でどんな車種とも違う個性」を持っていたと紹介。車内空間が広く、円形を主とした丸みを帯びたデザインの内装で、価格も日本円で約100万円からと手ごろで、若者にはぴったりだったのに、と残念がった。

 やはり中国では小型車は人気がないようである。いまでも中国ではSUVが人気で、日本の軽自動車のような小型車が少ないことからすると、中国人の大型車志向は変わっていないようだ。ちなみに、「酷熊」は当時日本ではトヨタの「bB」にそっくりだとパクリ疑惑でも話題となっていた車種である。やはり模倣では自国の需要に応えられなかったとも言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)