日本経営管理教育協会が見る中国 第501回--水野隆張

■発言がコロコロ変わる米国のトランプ大統領

 トランプ米大統領は、これまでの大統領とは違って定期的な記者会見は行わず、ツイッターや大統領令で自分の政策を発表している。しかもその発言は一定しておらず気紛れとしか思わざるを得ないのである。例えば経済のTPPについては永遠に離脱すると発表しておきながら最近になって条件交渉に応じるのであれば復帰してもよいと言い始めている。気候変動問題のパリ協定についても同じような発言を言い始めているのである。

 このような態度を見て人によってはトランプ大統領のことを発言がコロコロ変わるトランポリン大統領だという人もいるくらいである。日本の安倍首相はトランプ大統領と世界の指導者の中でも最も親しい関係とみられており、日米同盟関係は最も安定していると思われている。しかしながらアメリカファーストを基本方針としており発言が一定しない大統領に日本の安全保障を全面的に信頼してもよいのだろうか?

■アメリカファーストの米国に安全保障を全面的に期待できるのだろうか?

 最近尖閣諸島に中国の潜水艦や軍艦が侵入している。しかも中国は自分の領土で艦船が行動して何が悪いと全く領土侵犯の反省はない。このような状況下にあって日米同盟が守ってくれるから安心であると言えるのだろうか?日韓関係では竹島が韓国軍によって実効支配されており、日本は抗議するだけで何ら実質的な対応を取ることが出来ないでいる。

 南シナ海西沙群岛(三沙市)に見られるように、中国は海を埋め立てて滑走路や市役所を建設、観光産業を育成している。いずれは天然資源を開発しよう。

 このままでは何時漁民を装った中国の人民解放軍が尖閣諸島に上陸を敢行する日が来ることも十分予想されるのである。その時アメリカが守ってくれると悠長に構えていては竹島の二の舞となることは火を見るよりも明らかであろう。おそらくトランプ大統領は「人の住んでいない無人島を守るのにアメリカ兵の血を流すことは出来ない! アメリカファースト!」というに違いないであろう。このような事態に対して日本政府、いや日本国民としての自覚が統一されているかと言えば全く心もとないと言わざるを得ない。

■ハード面とソフト面での具体的対応準備が必要

 尖閣諸島などの小さな島を守るにはハード面とソフト面での具体的対応準備が必要であると考えられる。ハード面では海上保安庁や海上自衛隊が他国の侵略に対して国会の承認や内閣の許可なしに即時撃退するシステムがあらかじめ構築されているべきである。またソフト面ではこのような即時対応に国民的意思統一があらかじめ確立されていることである。

 緊急事態が起こってから相談したり許可を求めたりするのでは手遅れということである。そのあとで同盟国である米国の支援を求めるのであれば現状では十分な支援が受けられるであろう。

■日本の最大の課題は中国への対処である

 今北朝鮮のミサイルが最大の日本の安全保障の危機と見なされているが北朝鮮は小国であり、世界的な各国の制裁を受けていずれは問題が解消へと向かうであろう。それよりも日本最大の課題は日本の人口10倍の大国中国の脅威であろう。習近平氏は独裁的体制を着々と進めているが、その後継者の噂は一部出ているが決まっていない。しかも経済的にも政治的にも必ずしも安定しているとは思えない。日本にとって最も警戒すべきは中国である。今のところこの中国の脅威に対する十分な対応がとられてはいないと思うのだが如何でしょうか?(写真は、中国の国会北京人民大会堂。提供:日本経営管理教育協会)