中国メディア・今日頭条は1月31日、日本の通訳案内士法改定による影響について、中国人ガイドや旅行会社関係者、業界関係者の意見を紹介する記事を掲載した。

 昨年制定された改正通訳案内士法が、1月4日に施行された。これにより、以前は国家資格である通訳案内士の資格を持っていないとできなかった有償によるガイド従事が、資格を持っていない人でも従事できるようになった。記事は、同法改正の主な原因が、訪日観光客が増加するなかで、合格率が20%前後という通訳案内士の数が不足し、需給バランスが崩れてしまったことにあると紹介した。

 また、改正法では通訳案内士の業務独占が廃止される一方で、無資格者に「通訳案内士」という名称そのものや、これと紛らわしい名称の使用を認めない名称独占が残されたと説明している。

 そのうえで、通訳案内士の資格を持つ中国人ガイドが「こんなおかしな話があるか。何十年も努力して、他のことを諦めてようやく資格を取った人もいるというのに、突然誰でも仕事が出来るようになるなんて。しかも腹立たしいのは、資格試験の合格者は研修参加が必須で、資格のない人は研修を受けずとも従事できるという点だ。名称の独占というが、そんなもの何の意味があるのか」と憤ったことを伝えた。

 一方で、中国人ツアーの引受会社からは歓迎の声が出ているとし、「これまでは実務能力に長けていても無資格の人はガイドとして雇えなかった。しかし実際、観光客にとって重要なのは資格ではなく、実務能力とサービス精神の有無なのだ。ガイドの能力は言語面だけではなく、総合的なマネジメント能力で評価される。これは1度の知識力を問う試験で包含することはできない。実際にガイドとして仕事をした経験によって蓄積されるものなのだ」というインバウンド旅行会社社長の声を紹介している。

 さらに、ある日本の観光業界関係者が「今回の法改正による実質的な影響はない。なぜなら、有資格者ではガイドのニーズをまかないきれず、既に多くの人が無資格で従事しているからだ。資格を持っていなかったとしても、普通の人には分からない。そして、ツアー引受会社の経営者が重んじるのは知識ではなく、商品を売る能力。観光案内がいくら上手であっても、観光客に買い物をさせるのが下手であれば辞めさせられることになるのだ」と語ったことも併せて伝えている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)