日本経営管理教育協会が見る中国 第500回--磯山隆志

■仮想通貨とは

 仮想通貨は、国家による価値の保証や制御のない、通貨の機能を持つ電子データである。インターネットを介して、入手や換金がされる。日本の資金決済法では次の性質を持つ財産的価値とされる。

1、不特定の者に対して、代金の支払いなどに使用でき、かつ法定通貨(日本円や米国ドルなど)と相互に交換できる。
2、電子的に記録され、移転できる。
3、法定通貨又は法定通貨建ての資産(プリペイドカードなど)ではない。

 銀行を介さないため、時間的な制約や場所の制約もなく、いつでもどこにでも、安く、早くインターネット上で送金できるのがメリットの1つである。有名な仮想通貨として「ビットコイン」がある。

 仮想通貨の取引情報はインターネット上に分散して記録される。その処理にはコンピューターによる膨大な計算と電力が必要なため、有志のコンピュータを借り、処理に成功した場合には報酬として新たに発行された仮想通貨が支払われる。この行為はマイニングと呼ばれている。

■中国政府による仮想通貨の規制

 今年に入り、中国政府が仮想通貨のマイニングを規制するとの報道がなされた。中国ではこれまでも仮想通貨の取り締まりを進めていた。昨年には新たに仮想通貨を発行して資金調達を行うことを禁止したのに加え、仮想通貨の取引所が閉鎖された。今後も規制強化の方向性は変わらないであろう。

■規制の影響

 中国の規制強化に加えて、韓国でも仮想通貨取引所を閉鎖する規制を検討しているとの報道がなされた。これらの報道があった後、仮想通貨の価格は全面的に急落した。しかし、その後は上昇に転じるなど激しい値動きとなっている。

 ビットコインの価格は昨年、一番高い時で20倍以上になった。仮想通貨の価格がバブルの状態にあるのか、これからも上昇するのか下落するのか様々な議論がある。現在、仮想通貨を保有する目的やメリットで最も大きいものは、価格上昇を狙う投機であると思われる。価格への関心よりも、通貨としての利便性などへの関心が高くなるのはいつのことであろうか。今はまだ不透明感が拭えない。仮想通貨が当たり前のように使われる日が来るのか注目したい。(写真は、どうなる中国仮想通貨市場。提供:日本経営管理教育協会)