日本人にとって、生活の中で列に並ぶ機会は数多く存在する。食事、買い物、交通機関、各種手続きなど、列に並ぶ機会は挙げればきりがないほどだ。日本では列に並ぶのは日常にありふれた、ごく自然な行為と言えるだろう。香港メディアの鳳凰網によれば、初めて日本を訪れた中国人観光客にとっては「日本人が何かにつけて列を作って並んでいることは衝撃的な光景」のようだ。

 記事は、日本を訪れた中国人観光客の見解として、日本に到着してまず最初にガイドに教わったことが「日本の列に並ぶ文化」であったとし、老若男女問わず、日本人はどこであっても皆が列に並ぶ意識を持っていると説明されたという。つまり、日本では誰もが列に並ぶことが一般的であるため、割り込んではならないということを注意されたのだろう。

 そして、この中国人は宿泊したホテルの朝食ビュッフェで「日本の列に並ぶ文化」を自ら体験することになったという。宿泊時期は年末年始の休暇時期であったうえ、宿泊先は沖縄のリゾートホテルだったということもあり、ホテルの宿泊客が通常よりも多かったことは想像がつくが、「朝食ビュッフェの入り口に長い列ができていた」と紹介。この日はたまたま混雑したのかとも考えたようだが、翌日はさらに長い列ができていたことで、やはり「これが日本の列に並ぶという文化なのだ」と思ったそうだ。

 人口の多い中国では日本よりも列に並び、順番を待つ時間や機会は多いようにも思えるが、中国では列に並ぶ機会はさほど多くはない。なぜなら日本のような列ができず、人びとが殺到することが多いからだ。この中国人が驚きを感じたのは「日本人が列に並んで順番を並んでいる時の態度」にあるようだ。20分程度待たされることになっても、穏やかに待っていることができるというのは中国人にとっては驚異に感じるらしい。

 また、席に案内された際、「食堂内に空席があったにも関わらず、それでも列に並ばざるを得なかったことに不平や不満を言う人がいなかったこと」は更なる衝撃だったようだ。この中国人自身は「食事をするのは5分程度なのに、20分も並んで待つなんて」とかなり不満を感じたようだ。

 中国の順番待ちの列では、割り込みはごく当たり前に見られる光景だ。それゆえ人びとは割り込まれないように前の人との空間を詰めて並ぶ。また、長時間待つことを余儀なくされると人々のストレスがその場に充満し、険悪な雰囲気になることもある。それゆえこの中国人にとって日本で列に並ぶということが特別な体験となったようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)