日本経営管理教育協会が見る中国 第498回--水野隆張

■日本の外交は危機に直面している

 河野太郎外相は、「中東やアフリカに行くと、中国が建てたビル、国会議事堂、橋、道路。どこへ行っても建設現場には中国語の看板が掛かっている」と指摘し、「かつて日本のODA(政府開発援助)拠出が世界一という時は、日本の外相が来なくても通った時代があった。

 しかし、今、中国は世界中のほとんどの所で、日本のODAと民間企業の投資を足した何倍もの金額を落としている」と訴え、中国の国際的な影響力拡大を念頭に、「日本の外交は危機に直面している。今までと同じことをやっていたのでは国益を守ることはできない」と述べ、懸念を示している。

■安全保障の面でも危機が迫っている

 更に、防衛省は11日、沖縄県尖閣諸島の大正島周辺などの接続水域内に、それぞれ1隻の潜水艦と中国海軍艦艇が入ったと発表した。日本の外務省の抗議に対して、中国の報道官は、「中国の領域で中国海軍が活動することには何ら問題はない」と開き直った談話を発表している。日本の安全保障の面でも危機が迫っていると言えるであろう。

 一方、同盟国であるアメリカのトランプ大統領は、大統領の資質が問われるような暴露本が出版され、ベストセラーとなっており、アメリカファーストを主張して、ツイッターによる発言には一貫性がなく気紛れとも受け取れる面があり、いざというときに果たして頼りになるのだろうかと疑わざるを得ない。

■ベトナムは小国と言えどもアメリカや中国のような超大国に堂々と勝利している

 現在、日本は、外交面でも安全保障の面でもアメリカに全面的に依存しているが、北朝鮮問題に見られるように国際情勢が益々複雑に展開している状況の中で日本の将来の安全を考える時、このままで良いのだろうかと心配にならざるを得ないのである。

 そこで思い起こされるのがベトナムである。ベトナムは小国ではあるが1975年にアメリカとの戦いに勝利している。更に、1979年には中国との国境紛争の戦いで中国にも勝利している。ベトナムは小国でありながらもアメリカや中国という超大国に勇敢にも堂々と戦いを挑み勝利しているのである。

 最近の世界のパワーバランスが大きく変化する中で従来通りアメリカファーストを掲げる同盟国に全面的に依存していては日本の将来が不安に思われてならないのである。

 日本はアメリカに安全保障を任せて経済発展に注力したことで経済的繁栄を得ることが出来たことは同盟国アメリカに感謝せざるを得ないが、国際情勢が大きく変化して中国の台頭、アメリカの弱体化に対応する外交と安全保障を再考する時期に来ていると考えざるを得ないのである。

 日本も平和ボケから目覚めてベトナムのように超大国に対しても毅然として対応できる独立した国になるよう目覚める時が来ているように思う次第である。(写真は、のどかなアメリカ西海岸。提供:日本経営管理教育協会)