かつて、電車やバスなどに設置されていた優先席は「シルバーシート」という名称が一般的に用いられていたが、最近では耳にしなくなった。優先席が高齢者だけではなく、障がい者、妊産婦、乳幼児、負傷者といった層にまで対象の認識が広がったためであり、日本におけるバリアフリー意識の高まりを示すものと言えるだろう。

 中国メディア・解放網は14日、「日本のバリアフリーデザインが世界から賞賛される理由はどこにあるのか」とする記事を掲載した。記事は、1960年代末に日本で始まったバリアフリーの動きは、83年に国連が障がい者10年計画を発表したことにより政府レベルにまで高められたものの、コスト面の問題や社会全体の賛同が得られなかったこともあり、思うようには進まなかったと紹介。その動きが急速に進みだしたのは、1990年代以降に高齢化社会に入り、バリアフリーの対象が高齢者、妊産婦、乳幼児にまで広がって社会から広く受け入れられるようになってからだとした。

 そのうえで、日本のバリアフリートイレのデザインについて言及。「細かいところまで行き届いたデザインに多くの人が驚く。例えば、センサーにより手で切ることなく一定量のトイレットペーパーが供給される装置、便座の両側の取っ手、転倒したときにも押せるように上下に設置された緊急ボタン、人工膀胱や人工肛門の排泄物処理に便利な流し台、プライバシーを守るためのカーテンなどだ」と伝えた。

 また、「数十年の発展により、日本のバリアフリーは充実したシステムを持つに至った。屋外のみならず、役所や駅構内など人の流れが多い屋内にも点字ブロックが用意されており、屋内と屋外が一体化している。国土交通省は、2020年までに1日の利用者が3000人を超える全国の駅や空港で完全バリアフリー化を実現する目標を掲げている」とした。

 そして、日本のバリアフリー化において最も賞賛すべきは法体系の充実であると指摘。1994年より法整備を進め、2000年には交通バリアフリー法が、06年には同法に替わるバリアフリー新法が制定されたとし、14年には国連の障害者の権利に関する条約を批准し、16年に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が施行されたと紹介している。

 さらに、関係する研究機関や社会組織も日本におけるバリアフリー設計の発展推進に大きく寄与しているほか、バリアフリーデザイン認定を受けた建物を建設した場合に所得税が一定程度控除される、日本政策投資銀行や中小企業金融公庫などから低金利による融資を受けられるなど奨励政策の充実も大きな要因になっていることを伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)