韓国のインバウンド業界は消費意欲の旺盛な中国人旅行客に大きく依存していた。韓国国内の免税店は化粧品などを買い求める中国人で溢れかえっていたが、韓国が高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」配備を決めたことで、韓国のインバウンド事情は大きく変化した。中国が事実上の報復措置として韓国への旅行者を制限したことで、免税店は閑古鳥が鳴く惨状に追い込まれたのは記憶に新しい。

 中国はすでに報復措置を解除しているという指摘もあり、韓国の免税店にも中国人旅行客の姿が戻ってきている。韓国国内では中国人の爆買いが戻ってきたとして喜びの声があがっているようだが、中国メディアの今日頭条は27日、「中国人旅行客が再び韓国の免税店で爆買いしていることについて、韓国では嘲笑の声も存在する」と伝え、不快感を示した。

 THAAD問題をめぐって中国が韓国への渡航者を制限したことなど、一連の報復措置は「限韓令」などと呼ばれるが、すでに中韓は関係を改善させることで一致しており、限韓令も解除されつつあると言われている。記事は、「一部の中国人が堰を切ったように韓国を訪れ始めている」と伝えつつ、特に代理購入のために訪韓する中国人が急増しているとした。

 中国では韓国の化粧品などが高い人気を得ているが、こうした人気を目当てに商品を大量に買い込み、中国で転売する「代理購入」ビジネスも盛んだ。ちなみに代理購入ビジネスを手がける中国人は日本にも大量に存在すると言われる。

 記事は、「限韓令」の解除を背景に、中国人旅行客に混じって代理購入を手がけるブローカーも大量に訪韓し、免税店で爆買いしていると伝え、「韓国の免税店には再び長蛇の列ができ始めている」と紹介。一方、韓国では「見ろ、中国人はやっぱり韓国製品から離れられないのだ」といった声もあり、こうした指摘は「中国人を嘲笑するもの」と不快感を示した。

 記事には、中国のネットユーザーから「喉元過ぎれば熱さを忘れる中国人の姿に、韓国人は大笑いしていることだろう」といったコメントが寄せられていたが、韓国の免税店がTHAAD問題で苦境に陥っていたのは事実であり、中国人が戻ってきたことで「一安心」といったところだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)