日本経営管理教育協会が見る中国 第495回--坂本晃

■中国のハワイと言われる海南島

 中国の最南端に位置する海南島は海南島と近辺の島を含む海南省に属し、島の最北部にある海口市を省都とする。中国のハワイと言われるので、ハワイほどの可愛らしい島のように思えるが、日本の四国の約1.7倍強の広さがあり、人口は約2.3倍、2010年で867万人が居住している。

 最南端に位置しているだけに気温は年の平均で大まかに最高温度30度、最低温度25度と、首都北京の真夏25度、真冬零下5度に比べてはるかに過ごしやすい。そこで中国の別荘地としての役割が大きい。

■超富裕層だけの別荘地域ではない

 日本ではなんとなく超豪華なホテルが乱立している超富裕層の別荘地だけのように思われているが、なにしろ広い土地があるために、不動産投資も目的にした高層の集合住宅の建設が進んでいる。戸建ての別荘も散見されるが、量的には圧倒的に高層の集合住宅、マンションといわれるものが多い。

 価格も北京などに比べれば、土地の使用料が安いためであろう、中国の超富裕層ではない富裕層、公務員でいえば管理職層が入手できる価格帯である。最南端の三亜市から北西に50km離れた海南省陸東郡九所鎮(村)も別荘集合住宅が乱立しているが、2DK相当の広さ、内装完備で日本円換算1千万円ていどと聞いた。ただし、町中で海が見える立地ではなく、窓からは隣のマンションが見える物件であった。

■島を一周する高速鉄道(新幹線)

 海南島に最初に鉄道が引かれたのは1940年、太平洋戦争開戦の前年、日本ではシナ事変と呼ばれていた時に、日本の陸軍が鉄鉱石の運搬を目的として狭軌の鉄道を建設、日本のC12型蒸気機関車2両で開始された。

 第2次世界大戦終了後、中国によって標準軌への改築が進められ、1985年に最南端の三亜市まで開通した。さらに広州省湛江駅から海峡は鉄道連絡船を経由して、「全国鉄路旅客列車2016.06時刻表」によると北京西駅17.54発三亜駅08.50着Z201列車、2夜行約39時間かかる列車が運行されている。

 一方、中国の高速鉄道、日本で言えば新幹線が北の海口市から南の三亜市まで海南島を一周する路線が新規開業している。東側は2010年、西側は2015年12月30日に開通した。四国より広いとはいえ、日本の四国では実現していない新幹線が開業しているのである。

 最高時速250kmと中国本土の300kmよりは遅いが、8両編成、ほぼ1時間に1本程度、島を一周するダイヤは1日に4本程度で、他はそれぞれの線区内の折り返しである。運賃は2等1駅間20人民元、日本円で350円程度と日本の新幹線に比べて半値以下と安い。

 高速鉄道の駅の待合室に入るのも手荷物検査など安全検査がある。乗車券の購入の入り口は別で、安全検査はない。

 指定席込みの乗車券の自動販売機も完備しており、すぐに購入できる程度の込み方であった。中国の身分証明書の読み取りが必要で、外国人は窓口での購入になる。窓口は常時10人ていどが並んでおり、時間に余裕が必要だ。自由席の制度はない。3回乗車したがどの列車もほぼ満席だった。車内販売はある。

 和諧号と呼ばれる車両には、広告主が編成毎についており、車側にその表示があり、車内は網棚の下、シートの背面など広告が目立つようになっている。

 新しいこともあり、走行音は極めて静かで、最高速度でも揺れを感じない。車内掲示で現在の速度、車内温度、外部気温、列車名、広告などが順次表示されている。経験した最高時速は245kmだった。(写真:海南島の高速鉄道和諧号。提供:日本経営管理教育協会)