中国では近年、キャッシュレスの流れが加速している。もはやスマートフォン1つあれば、財布は持ち歩く必要がなくなったと言えるだろう。こうした流れの背景には、スマホの普及と、金融とITを融合させた「フィンテック」の発展という要素があるが、中国では「偽札が流通していた」という事情もキャッシュレスを加速させた要因の1つに挙げられるだろう。

 一昔前の中国では100元札や50元札などの紙幣で支払いを行った時やお釣りを受け取った時は、紙幣を受け取った側は本物かどうかを確認するのが普通だった。スーパーなどのレジにもブラックライトを照射して紙幣の真贋を鑑別する機械が設置してあるのが当たり前だったが、今ではこうした光景を見る機会も減ってきている。

 それだけ中国では偽札が多かったのだが、中国メディアの捜狐はこのほど、中国をはじめ世界には偽札が氾濫しているのに、なぜ日本では偽札が流通しないのかと疑問を投げかける記事を掲載した。

 仮に偽札が大量に流通すれば意図しないインフレが生じる可能性があるうえ、国の金融政策や財政政策にも影響を及ぼし、さらには国の国際的な信用の失墜にもつながりかねない。だからこそ、各国は偽札の流通を阻止するために厳しい取り締まりを行うのであり、中国でもしばしば偽札の生産工場が摘発されたことがニュースになる。

 記事は、日本は世界的に見ても偽札がまず流通していない数少ない国の1つだと伝え、日本を訪れた中国人は日本の商業施設ではレジに紙幣鑑別機が存在しないことに驚くと紹介。そして紙幣を受け取った店員もその紙幣の真贋を確かめることはしないと紹介した。

 続けて、日本にも海賊品や偽物の商品が存在しないわけではないとしながらも、日本銀行券の偽札が流通しないのは「偽造が非常に難しく、精巧に偽造しようとするとコストがかかりすぎるため」だと指摘。しかも日本では紙幣の偽造のみならず、社会的信用を失うことは社会的な死を意味するため、日本人は偽造や詐称などを嫌う傾向にあると伝え、こうした社会的背景も日本で偽札が流通しない要因の1つだと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)