高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題で中国人観光客が街から姿を消した韓国。ここに来て中韓関係改善の兆しが見え、中国からのツアー客が久しぶりに韓国を訪れているようだが、中国人観光客がいない間、韓国の観光業界はどのような心持ちでいたのだろうか。

 中国メディア・今日頭条は5日、韓国の免税点におけるあからさまな「中国人観光客びいき」が日本人観光客に不満を抱かさせているとする記事を掲載した。記事は、韓国紙・東亜日報の5日付報道を引用し「ある日本人観光客が訪れたソウルの免税店では、中国語だけで書かれている張り紙ばかりだったほか、店内放送も中国語オンリーだった。そして、優待イベントも中国人だけに対する善意に満ち溢れていた。『自分たちはソウルから歓迎されていない感じだ』と日本人観光客が思うのも無理はない」と伝えた。

 そして、一部韓国メディアからは「韓国旅行にはもはや『韓国』のエッセンスはすっかり消え去ってしまい、中国人団体客の爆買いだけを狙ったものになっている。もし、THAADの問題に直面しなかったら、韓国の観光業がすでに退化しているという実際の状況は表に出てこなかったかもしれない」との指摘が出ていることを紹介した。

 また、中国一辺倒の状況を打開して市場の多元化実現を目指す韓国政府が中東や東南アジア、欧米からの客源開拓を提唱したものの、観光業界は冷ややかな反応を示したと解説。ある免税店従事者が憚る事もなく「中国人観光客はまた戻ってきたし、経営上の慣例を変える必要はないと思う」と語ったことを伝えている。

 「厳冬の時期」を経験してきた韓国の観光業だが、それでもなお中国人の「爆買い」にばかり期待を寄せる業者が少なくないようだ。せっかく戻ってくる中国人観光客だが、「買い物以外におもしろいことがない」となれば客足はかつてほどには戻らないだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)