中国には「富二代」という言葉がある。これは「富裕層の子息」を意味する言葉だが、金の力にものを言わせて好き放題する人びとという「嫌悪」の意味合いが含まれることもある。

 野村綜合研究所によれば、日本には純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の富裕層と呼ばれる世帯が122万世帯以上も存在するが、富裕層の子息だからといって、中国のようにわざわざ「富二代」という代名詞が用いられて呼ばれることはないのは何故なのだろうか。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、中国の「富二代」は富をひけらかすことを好む一方、日本の「富二代」は控えめな傾向にあると伝え、同じ富裕層の子息であっても性格が日中で大きく異なると伝えている。

 記事は、日本で莫大な資産を持つ上場企業の社長であっても、その子息の名前や職業はほとんど知られていないケースが多いと指摘し、社長の親とその子どもはあくまでも「別」の存在として扱われると指摘した。中国でも富裕層の子息だからと言って、無条件に名前が知られることになるわけではないが、悪質なトラブルを起こして名前が中国全土で知られることになったケースはこれまでに多々起きている。

 たとえば、中国国内で富二代が乗るフェラーリとランボルギーニが事故を起こしたり、米国で高級車に乗っていた富二代が事故を起こし、事故をもみ消そうとしたりと、トラブルは中国国内にとどまらないのが現状だ。こうしたトラブルを起こす富裕層の子息に対し、中国では嫉妬と嫌悪の気持ちも込めつつ、富二代と呼んでいる。

 一方、日本で富二代に相当する単語がないのは、日本人がそもそも富をひけらかすことを好まないという性格に加え、親が裕福であることで嫉妬や妬みを受けた経験などから慎重さを身につけるケースが多いためと考えられる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(c)andreahast/123RF)