神戸製鋼所の製品データ偽装問題が拡大し、中国国内では日本の製造業の凋落や、日本の職人気質の問題点を指摘する言論が目立つようになった。中国メディア・今日頭条は24日、日本の職人気質が意外な人物たちによって受け継がれていることを紹介する記事を掲載した。

 記事は「近年、一部の中国人が、日本のモノづくりを職人気質の結晶と捉えている。日本企業は各分野において輝かしい成果をあげ、民間の手工芸、芸術品も多くの人が崇拝している。一方、中国ではしばしば無形文化遺産の後継者不足が話題になるが、高齢化が進む日本も同じピンチに直面しているのだ。そこで日本は独特な方法を思いついた。それは、刑務所の受刑者に伝統技術を教えることだ。なかには、刑務所の中でのみ受け継がれている工芸品の技術もあるのだ」と伝えた。

 そのうえで、石川県の金沢刑務所では2002年より、職人がわずか1人になってしまったヒノキ笠の制作を刑務に導入したと紹介。現在では5人の受刑者が制作に勤しんでおり、刑務所側も「受刑者が技術を身につけることにより就職が促され、再犯率が下がる」として今後も続ける意向を示していることを説明した。

 また、すでに伝承者がいなくなってしまった伝統工芸を救ったケースとして、大阪刑務所の「堺式手織緞通」を挙げている。「後継者が見つからないことに頭を悩ませていた保存協会が刑務所と協議し、刑務の1つとしてこの作業を導入した。刑務所では注文を受けると制作に取り掛かり、すべて受刑者の手で作られる。デザインや寸法にもよるが、完成には約2年かかるという。完成品は高値で売れ、その一部は中国人観光客にも売れる。ただ、中国人観光客たちはこの製品が受刑者によって作られたものであることを知る由もないのだ」としている。

 記事はさらに、青森刑務所での津軽塗、姫路少年刑務所での姫路独楽などが有名な事例であると紹介。「法務省はもともと刑務の多様化を目的としていたが、結果として技術の継承者を生むことになり、多くの専門家がこの制度について評価している。受刑者が必要とされていることを実感でき、作業にも熱が入るのだという」と伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)