『桐島、部活やめるってよ』、『紙の月』で人間の光と闇を描き続ける俊英・吉田大八監督の最新映画『羊の木』(2018年2月3日(土)公開、アスミック・エース配給)が、10月12日から韓国・釜山で開催していた第22回釜山国際映画祭にて、本年度より新設されたキム・ジソク賞を受賞した。

 キム・ジソク賞は、アジア映画の窓部門に選ばれた56作品の中から10タイトルがノミネートされ、その10作品から2作品が選出。21日に行われたクロージングセレモニーと授賞式に吉田大八監督が出席し、5000人の観客が見守る中、授賞者が発表されると大きな歓声が沸き起こった。

 吉田監督はトロフィーを受取り、「僕は今年初めてこの映画祭に来たので、残念ながらキム・ジソク氏とは会ったことも、もちろん直接お話したこともありません。しかし、彼を知る人たちからの話や、この素晴らしい映画祭の盛り上がりを通じて確かに彼を感じることができます。この賞、そしてこの映画祭に関わる全ての皆さんに感謝します」と英語でスピーチ。最後には「カムサハムニダ」と韓国語で感謝の気持ちを伝えた。

 また、先だって開催されたワールドプレミアムに登壇し、観客からの質問に答えた吉田監督は、同作品の主演を務める錦戸亮について、「錦戸さんとはこの映画ではじめて会いました。彼はミュージシャンでもありますが、すごく良い意味で普通の人というか、普通の雰囲気を持っていると思いました。映画の中では個性溢れる人物に囲まれて、その真ん中でほぼ普通の人としてひたすらいろんな状況に対応し続ける。彼の表情の一つ一つに観客が気持ちをのせていくような映画になっているし、撮影しながら現場では飄々とリラックスしてカメラの前で演技をしていて、普通の人を演じる天才的な能力がある人であり、フラットなままで状況に対応する月末という人物をすごく上手に演じてくれました。音楽をやっていることもあり、すごく感覚的にその場に一番フィットする演技を理解してくれ、スムーズな現場でした」と、彼の魅力を語った。


■映画『羊の木』

 平凡な市役所職員の月末(錦戸亮)は、男女6人(北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平)の受け入れを担当するが、移住してきた彼らは、どこかおかしい。

 魚深の町が抱える過疎問題を解決するために、元受刑者を受け入れるという“国家の極秘プロジェクト”であることを告げられた月末が知った、さらなる衝撃。“彼らは全員元殺人犯”。

 極限の状況におかれた月末、そして町の人々はどうなってしまうのか?
素性の知れない者たち、信じるか?疑うか?

『羊の木』2018年 2月3日(土)全国ロードショー
(C)2018『羊の木』製作委員会  (C)山上たつひこ いがらしみきお/講談社

出演:錦戸亮
木村文乃 北村一輝 優香 市川実日子 水澤紳吾 田中泯/松田龍平
監督:吉田大八 『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』
脚本:香川まさひと 『クヒオ大佐』
原作:「羊の木」(講談社イブニングKC刊) 
山上たつひこ「がきデカ」、いがらしみきお「ぼのぼの」

配給:アスミック・エース

(写真提供:(C)2018『羊の木』製作委員会)